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1995 年度 実績報告書

東南アジアにおける国民国家・民族集団及び宗教の係わりに関する文化人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06041109
研究機関愛知学院大学

研究代表者

綾部 恒雄  愛知学院大学, 文学部, 教授 (30037030)

研究分担者 スクサムラン ソンブーン  チュラロンコーン大学, 政治学部, 教授
バウゾン レスリー  フィリピン大学, 歴史学部, 教授
シャムスル A.B.  マレーシア国民大学, 人類学・社会学部, 教授
スリヤディナタ レオ  シンガポール大学, 政経学部, 教授
佐々木 宏幹  駒沢大学, 文学部, 教授 (30052426)
中島 成久  法政大学, 第一教養部, 教授 (80117184)
荒木 美智雄  筑波大学, 哲学思想学系, 教授 (60103032)
キーワード国民国家 / 国民文化 / エスノヒストリー / 慣習法 / シンクレティズム / 民族集団 / 千年王国運動 / 植民地
研究概要

平成7年度の研究実績を研究対象国毎に箇条書きにまとめる。研究課題は「東南アジアにおける国民国家、民族集団及び宗教の係わりに関する文化人類学的研究」である。
1.タイ国に関しては、綾部恒雄がタイ国イサーン地域(東北タイ)に分布するプ-タイ族を中心に、そのエスノヒストリーを分析することによって、これまでに調査を重ねてきた黒タイ族との相違を明確にするとともに、プ-タイ独自の民間信仰が、タイ国の国家宗教としてのテラヴァダ仏教に習合していく過程を明らかにした。またソンブーンは、チェンマイ地区の華人系ムスリム・コミュニテイの調査を通して、民族集団としての華人と一神教としてのムスリムの結びつき及びその国民化の過程を明らかにした。
2.インドネシアに関しては、スリヤディナタが、中部ジャワの華人社会にみられる儒教復興運動とイスラム国家インドネシアの国民化との係わりを分析した。また中島成久はミナンカバウ社会の母系制が、イスラム法、国家法との関係で次第に崩れつつある状況を明らかにした。
3.フィリピンでは、レスリ-・バウゾンがミンダナオの少数民族マヌボの調査によって、その種族的性格を明らかにし、国民文化形成との係わりを考察した。また荒木美智雄はボナハウ山麓の千年王国運動グループの調査を通して、植民地化と国民国家形成との係わりを明らかにしている。森正美のパラワン島マラナオ族の慣習法、イスラム法、国家法の三重構造の研究も国民国家の実態を明らかにする上での著しい貢献であろう。
4.マレーシアについては、シャムスルのサバ地区における華人社会の研究が国民国家の統合性と周縁性の問題について著しい実績をあげた。

研究成果

(9件)

すべて その他

すべて 文献書誌

  • [文献書誌] 綾部 恒雄: "タイ国における黒タイ族の"民族"的位相" 国家の中の民族-東南アジアのエスニシティー. 42-69 (1996)

  • [文献書誌] シャムスル A.B.: "東南アジアにおける国民国家の形成とエスニシティーマレーシアの経験より-" 国家の中の民族-東南アジアのエスニシティー. 2-40 (1996)

  • [文献書誌] 小野澤 正喜: "東北タイのラオス・ベトナム系カトリック教徒におけるエスニシティ" 国家の中の民族-東南アジアのエスニシティー. 70-97 (1996)

  • [文献書誌] シンブーン・スクサムラン: "民族の存続にむけた戦略-ハート・スィオのプアンにおけるケース・スタディー" 国家の中の民族-東南アジアのエスニシティー. 98-125 (1996)

  • [文献書誌] 寺田 勇文: "スルー海域のサマ族-海洋民の「国民化」過程をめぐって-" 国家の中の民族-東南アジアのエスニシティー. 198-232 (1996)

  • [文献書誌] 中島 成久: "インドネシアの母系社会における国家とエスニシティーミナンカバウの家族の言説をめぐって-" 国家の中の民族-東南アジアのエスニシティー. 268-301 (1996)

  • [文献書誌] 綾部 恒雄: "国家の中の民族-東南アジアのエスニシティー" 明石書店, 310 (1996)

  • [文献書誌] 小野澤 正喜: "アジア読本 タイ" 河出書房新社, 329 (1994)

  • [文献書誌] 寺田勇文・宮本勝: "アジア読本 フィリピン" 河出書房新社, 333 (1994)

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公開日: 1997-02-25   更新日: 2016-04-21  

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