研究課題
チリ北部の高地の砂漠地帯(4カ所)への気象装置の設置、及びチリ・パラナル山への電波シ-イングモニターとラジオメータの設置・調整を行い、これまで測定されたことのない地域で順調に気象及び電波環境データをとる事ができている。測定は現在も継続中である。また、チリ北部の高地の砂漠地帯数カ所にラジオメータを持ち込み、ミリ波帯での大気吸収率の測定を約10日間に渡って行うことができた。これらの測定により、以下の事がわかった。1)パラナル山の付近は、標高(2600m)のわりには電波環境は良い。しかし、大気吸収率などは、サブミリ波の観測が十分行えるほどではない。吸収率0.05以下の日数は測定全体の5%未満である。2)チリ北部の標高4000mを越えるような高地は、アンデス山脈に近く、北部ほど風が強いなど気象条件は安定せず、電波環境もあまり良くない。アントファガスタと同緯度付近の海岸とアンデス山脈の中間の高地が比較的乾燥しており大気吸収率も小さく、電波環境も良さそうである。データ取り込みや電源のトラブルなどはあったが、チリにおける測定装置の設置及び定常的な測定は、ほぼ予定どおり実行できている。上述したように、取得した気象データ、電波大気吸収率、電波シ-イングの各データの解析も進んでいる。今後の課題は、それらのデータについて相互の関係を明らかにした総合的な解析をするための解析システムの開発を進めることである。また、ハワイにおけるサイト候補地であうマウナケア山山頂の電波環境のデータを入手し独自に解析しているので、今年度取得したチリのデータとの相互比較・検討を行うことも今後の重要な課題である。
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