研究課題
平成6年度はベラル-シ大統領や保健大臣の交代による窓口調整を行ない当初予定と異なりミンスク放射線医学研究所Stajorov所長、ミンスク医科大学病理Cherstvoy教授、がんセンター外科部長Demetchick教授らと会議をもち、又「放射線と甲状腺」についての人事交流を行なった。同時にGedrevitch、Kondrovitch両外科医に標本等の便宜を提出して頂いた。平成6年9月チェルノブイリ周辺におけるゴメリを中心に医療現場を視察すると共にミンスクにおける保健大臣との会見以下各担当窓口との意見調整を行ない具体的研究活動、人材交流についての合意を得た。1甲状腺被曝線量の再構築と全身被曝線量推定の為の放射線物理的アプローチ。2スクリーニングによる各種小児甲状腺疾患の正確な診断と詳細な病歴収集。3手術標本を用いた病理組織学的検索。4甲状腺がん発症の分子機構解明の為の学術交流。平成6年度は主に双方の情報交換と協力内容の照合を行ない一定の成果を得た。特にベラル-シにおいて激増している小児甲状腺がん発見はゴメリ州124例を中心にベラル-シ全体で333例(1994.12.31)にのぼり、これら甲状腺手術標本を用いた各種免疫組織学的解析や関連遺伝子の解析を可能とした。研究実績。1ゴメリ市を中心にゴメリ州発生小児甲状腺がんや各種甲状腺異常の診断、カルテcheckを行なった。更に吸引針生検と細胞診の指導を行なった。2ミンスクがんセンターで手術された20例の組織を詳細に検討し、カルテcheckと同時に被曝線量との関係を調査解析した。3「放射線と甲状腺」の疫学および病理診断や遺伝子異常について協議し、同一診断基準に基づく学術交流を行ない相互理解を深めた。ミンスクがんセンターからの甲状腺外科専門医2名を招聘し、診断・治療・追跡調査の各問題点を中心に学術交流を行なった。
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