研究分担者 |
CHELLAM V.G. Kerala州立大学, 医学部, 教授
HARIHARAN Me Kerala州立大学, 医学部, 教授
森 満 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (50175634)
石川 治 大阪府立成人病センター, 室長
堤 雅弘 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (00207416)
|
研究概要 |
インドのトリヴァンドラム市を中心とするケララ州では,他州に比べ慢性石灰化膵炎の頻度は8倍と高く,その発症は20才代にてもみられ,40才代で膵癌の合併例も見られる。これらの症例は慢性石灰化膵炎と糖尿病の膵癌発生に対する位置づけを研究し得る絶好の材料である。本研究は,疫学的,臨床的並びに病理学的手法にて上記の材料を用いて追求する。本年度は,インド側班員と討論し症例に対する定まったプロトコールと研究群を作成した。第1群は健常人群,第2群は慢性石灰化膵炎群,第3群は膵管癌群,第4群は慢性石灰化膵炎に膵癌を合併した群とした。各群の症例数は最低20症例を目標とし,第1群では男/女と年令をマッチさせることにした。プロトコールにおいては,疫学的にはcace-control studyの可能なものとし,症例の経済状態,1日のカロリー摂取量,casave摂取量,飲酒,喫煙,コーヒー,紅茶,野菜,果物などの摂取頻度などが含まれている。臨床的には,慢性膵炎と糖尿病に対する一般的な検索に加え,特別な検査としてERCP,PS-test,α-xylose test,OGTTを行う。病理組織学的には,生検,手術材料と解剖例より組織切片を作成し,慢性石灰化膵炎と糖尿病及び膵癌について検索すると共に膵管上皮細胞の変化について精査する。現在まで蓄積されている症例数と症例蓄積速度は,第1群ではそれぞれ20人と短時間で多数であり,第2群では11人と1ヶ月間で3人,第3群は0であるが1ヶ月間に3人,第4群では6人と1年に3人となっている。研究期間は1年間残されており研究目標は得られるものと判断している。
|