研究課題
中米の胃がんの疫学的特徴については、がん登録が整備されているコスタリカを除いては、情報が乏しい。そこで、今年度は中米における胃がんの組織型別リスクファクターの疫学的研究を開始するにあたって、胃がんの疫学的特徴を明らかにすること、また、胃がんの組織型別リスクファクターを明らかにする症例対照研究を開始することを目指した。グアテマラにおいては、1980年から1990年までにがん登録に登録された全胃がん症例1228例について検討した。登録ん不完全なため、解析には限界があるが、性比1.6と若干低く、また、組織型別では、男で高分化型腺がん、女で低分化腺がんが多かった。また、最近、最新の胃がん死亡データを入手したので、次年度に検討する。胃がんのリスクファクターの一つとして食事調査は不可欠であるが、中米では、その調査の基礎となる食品成分表が20年前に公表されたもののみであった。今年度の調査で、中米パナマ栄養研究所から許可を得て、1995年に発表予定の食品成分表を入手し、またグアマテラの全生活調査の結果も入手した。コスタリカでは、コスタリカのがん登録に1985年から1992年までに登録された症例4522例についての情報を、許可を得て入手した。さらに、コスタリカ最大のサンファンデディオス病院外来胃がん患者1461例(1989年〜1993年)についての情報も入手した。両データ共、コスタリカ共同研究者と共にデータの確認作業を続行中である。