研究課題/領域番号 |
06044015
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
首藤 伸夫 東北大学, 工学部, 教授 (90055137)
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研究分担者 |
SHI S. Coventry大学, 助手
DAWSON A.G. Coventry大学, Reader
高橋 智幸 東北大学, 工学部, 助手 (40261599)
今村 文彦 東北大学, 工学部, 助教授 (40213243)
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キーワード | 津波堆積物 / 歴史津波 / フローレス島津波 / 津波遡上 / 堆積学 / 津波災害 |
研究概要 |
1992年インドネシア・フローレス島地震津波について現地調査と数値計算を行った。 調査目的は、主に(1)津波による陸上での堆積物の測定、(2)数値計算で使用できる海底地形および陸上地形の測量であった。 (1)では、海岸から内陸部へ向かって測線を複数設定し、津波による堆積層の判別、堆積層の厚さ、構成物などを調査した。また、各地点でサンプルを採集しており、現在解析中である。 津波堆積層は、多くの調査地点で確認でき、海岸から内陸部へ「くさび形」状に形成されていた。層の構成物は海岸からの距離により変化し、遠いほど細かくなっているように観察された。より詳細な構成物の分布は、解析中のサンプルから得られると期待される。 また、川の周辺では層が厚く、川を遡上する津波の運搬力の大きさを示している。 (2)では、海図や地形図では判別出来ないような小さいスケールの海底地形や陸上地形を測量した。海底地形は、測深器を船に設置し、GPSで位置を求めて、測量した。陸上地形は、光波測定器により測量した。 フローレス津波で最大の打ち上げ高を記録したリアンクロコでは、特に詳細な測量を行った。その結果、10メートル以下の水深が沖まで続いていること、陸上は典型的なV字谷になっていることが確認された。これらの条件が、打ち上げ高を増大させた要因と考えられる。 数値計算は、最も被害の大きかったバビ島周辺について詳細に行った。100メートル格子の水深データを作成し、バビ島を回り込む津波とフローレス島からの反射波の影響を検討した。 バビ島への第一波は回り込む津波によって生じ、フローレス島からの反射波が第二波となることが分かった。流速値で見ると、第二波の方が第一波より大きく、バビ島での被害は第二波によるものが大きかったことを示している。
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