研究課題/領域番号 |
06044015
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
首藤 伸夫 東北大学, 工学部, 教授 (90055137)
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研究分担者 |
SHI S. Inverness大学, 環境科学, 講師
DAWSON A.G. Coventry大学, 理学部, Reader
箕浦 幸治 東北大学, 理学部, 助教授 (10133852)
高橋 智幸 東北大学, 工学部, 助手 (40261599)
今村 文彦 東北大学, 工学部, 助教授 (40213243)
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キーワード | 津波痕跡 / 液状化 / エ-ゲ海 / 歴史津波 / サントリ-ニ島 |
研究概要 |
地質学的手法を用いて、トルコ及びギリシアのエ-ゲ海沿岸部における津波痕跡の調査を行った。エ-ゲ海では地震が頻繁に発生しており、それに伴う津波は大きな被害を与えてきている。また現在、地震の空白域も指摘されており(Yalcinerら,1995)、津波の危険度は極めて高い。一方、エ-ゲ海の津波に関してはKuran & Yalciner(1995)やPapadopoulos & Chalkis(1984)による報告はあるが、過去の津波に関する資料は乏しく、今後の津波防災を考える上で、歴史津波発生頻度・その規模推定の研究は大変重要となっている。 地質学、特に堆積学的手法を用いて、エ-ゲ海沿岸部における地震・火山噴火・地滑りによる津波の痕跡の調査を行った。 (1)エ-ゲ海沿岸から離れた地点で(トルコ国内)、トレンチを堀り、砂層の分布を調査した。 (2)トルコ側での火山層の確認をホールを掘って調べた。 (3)サントリ-ニ島での古代遺跡での砂層や堆積層を調べ、この痕跡有無の確認した。 その結果 (1)Dalamanで、3層の堆積層を発見した。特に、第2と3層の間には、液状化現象である噴砂を確認し、この堆積層が、地震に関連した津波であることが分かった。 (2)Didimでも、同様な堆積層を発見できたが、層が浅くしかも液状化などの痕がないために、津波であることの確証は得ていない。1952年の地震津波と関連があるものと推定されるが、年代も新しく、検証が難しいことが分かった。 (3)サントリ-ニ島の遺跡でも、堆積層を発見した。汀線に比較的近く、堆積層のレベルも5-9mであり、津波である可能性は高い。年代測定が可能な物質も発見しており、今後の解析結果を待っている。
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