研究課題/領域番号 |
06044016
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
重野 芳人 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 助教授 (70108570)
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研究分担者 |
EVANS J.W. カリフォルニア大学バークレー校, 資源材料工学科, 教授
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キーワード | 活性炭 / メタン / 熱分解反応 / 気孔充填 / コ-クス / マイクロポア- / CO_2酸化 / サブマイクロポア- |
研究概要 |
本年度は特にCH_4の熱分解反応によるマイクロ気孔への析出炭素を目的にしたため、試料として活性炭を使用した。さらにこの充填した試料およびオリジナルの試料をCO_2により酸化し、炭素充填による耐酸化抵抗上昇の効果を確認した。次にこの効果を微細気孔の構造変化から考察するために、これらの試料の気孔サイズ分布変化をN_2吸着法によりマイクロポア-、サブマイクロポア-およびメソポア-をそれぞれBJH法、Tプロット法、Horvath and Kawazoe法により解析し、また全表面積をBET法により求めた。さらにマクロからメソポア-領域の気孔径分布を水銀ポロシメータにより測定し、その結果次に示す新たな知見を得た。 1.マイクロポア-は気孔充填の結果、体積面積共に1/1000〜2/1000に減少する。特にサブマイクロポア-は気孔直径0.7nm近傍に気孔が集中しており、析出炭素により、この領域の気孔はほぼ完全に充填される。CO_2による酸化反応により、充填した炭素は酸化され、再びマイクロポア-が生成されるが、炭素充填のしない試料に比較し、気孔の体積面積共に拡大の割合が小さく、マイクロポア-の充填が耐酸化性の上昇に大きな役割りを果たしている。 2.メソポア-に関しても同様も現象が観察されたが、炭素充填後の体積面積共にオリジナル試料の3%程度にまで減少したに過ぎず、充填後の試料の酸化に伴う体積面積の拡大はオリジナル試料を酸化した場合の約1/3となり、酸化抵抗上昇に寄与するもののマイクロポア-程の効果はないと考えられる。 3.炭素充填およびその後の酸化に伴うマクロポア-のサイズ分布の変化は余り顕著ではなく、酸化抵抗の上昇への寄与は相対的に非常に少ないと考えられる。 今後の展開として次のような研究を計画している。 1.マイクロ気孔の充填のメカニズムが判明したのでこれらの成果を冶金用コ-クスの気孔充填の解析に適用する。 2.コ-クス改質のための実用的プロセスを考えるためには、炭化水素熱分解の生じる煤の発生を抑制する必要があり、そのための基礎研究を行う。
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