研究課題/領域番号 |
06044025
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 孝夫 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (00142654)
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研究分担者 |
藤沢 直毅 オーストラリア, ニュー・サウス・ウェールズ大学・大学院・生体工学研究科, 研究員
SCHINDHELM K オーストラリア, ニュー・サウス・ウェールズ大学・大学院・生体工学研究科, 研究科長 教授
梅津 光生 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90132927)
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キーワード | 旋回渦流 / 血液ポンプ / ポンプ内表面性状 / 骨格筋駆動人工心臓 / ポンプ流量 |
研究概要 |
北海道大学では、ポンプ内血液量に依存してポンプ外に装着した電極間の静電容量が変化することを利用した拍出量測定システムの開発・評価を継続し、in vitro実験で良好な結果を得た。早稲田大学では、物理的形状の異なるポンプの評価研究を継続すると共に、流体力学的特性に優れる安価な人工心臓用ボール弁を新たに設計・試作して、評価実験を開始した。In vitro実験では既に良好な結果を得ている。ニューサウスウェールズ大学では、レーザドプラ流速計によるポンプ内流れの測定のための解析用ソフトウェアを開発し、アニメーション画像によるポンプ内流れの表示が可能となった。またポンプ内流れを解析する場合に必要となる、ポンプ内表面性状のポンプ性能(特に抗血栓性)に及ぼす影響を定量化するために、レーザー光を用いた微細加工技術を応用して表面微細粗さの異なる人工血管様試料を作製し、動物(羊)に埋め込んで評価し、平成6年8月の国際会議でその結果の一部を発表した。 さらにポンプシステムの総合的評価を行うための予備的急性動物実験を、手術手技の確立と動物介護の方法論の検討、並びにポンプシステムの急性期における特性評価を目的として、豪国において全研究者立ち会いのもとに羊を用いて開始した。その結果ポンプは良好に動作し、ポンプ内には極めて理想的な旋回渦流が認められた。動物は人工心臓ポンプで8時間維持されたが、真空成型法では克服できないポンプ作製上の小さな欠点が幾つか指摘され、今後は成形方法を射出成型法に変更してポンプを作製していくことになった。 なお本研究で開発しているポンプシステムは、豪国内での企業化にむけて極めて有望視されており、そのための調査が開始されている。
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