研究課題/領域番号 |
06044037
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
嶋田 裕 千葉大学, 医学部, 教授 (70009116)
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研究分担者 |
PEXIEDER Tom ローザンヌ大学, 準教授
PERRIARD Jea スイス工科大学, 教授
小宮山 政敏 千葉大学, 医学部, 助手 (70175339)
豊田 直二 千葉大学, 医学部, 講師 (00188822)
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キーワード | アイソフォーム / ミオシンアルカリ軽鎖 / トロポニンI / 筋原線維 / 心臓 / レチノイン酸 |
研究概要 |
1.筋蛋白質アイソフォームの変換機構の解析:筋原線維形成過程における筋蛋白質アイソフォームの変換機構に関して、ミオシンアルカリ軽鎖のどの領域(アミノ酸)が筋原線維への組み込まれ易さに影響するかについて解析した。最も筋原線維に組み込まれにくい非筋型の一部を、筋原線維に組み込みやすい速筋型と入れ替えたキメラcDNAを培養心筋細胞に導入し、発現したキメラ蛋白質が筋原線維のA帯に局在するようになるにはどの部分が必要かを解析した。その結果、アルカリ軽鎖を構成する4つのEFハンドドメインのうち第2ドメインが重要であることが判明した。この領域では両アイソフォーム間で15個のアミノ酸に違いがみられた。それらの違いが第2ドメインの立体構造や他のドメインとの位置関係に影響して、ミオシン重鎖との親和性に差が生ずるものと考えられた。 2.心筋型および骨格筋型筋蛋白質アイソフォームの相違の分析:トロポニンIのアイソフォーム(心筋型CTnIと骨格筋型FTnI)を異なるタイプ(骨格筋と心筋)の筋原線維へ取り込ませるための条件を解析し、アイソフォームの役割を調べた。各遺伝子の一部を各種筋細胞に強制発現させたところ、CTnIとFTnIの尾部は各筋原線維に取り込まれたので、尾部はTnIの筋原線維への結合領域と考えられた。またCTnIとFTnIの頭部はどの筋原線維にも取り込まれなかったが、尾部と組み合わせると結合性が変化したことから、頭部は尾部の調節領域であると考えられた。 3.心奇形の発生:妊娠8日目のマウスに20mg/kgのレチノイン酸を腹腔内に投与した場合に、心奇形の発生は最も再現性が高く、また高頻度であることがわかった。胚子の心臓および大血管にはTGA、DORV、VSDなどの奇形がみられた。
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