研究分担者 |
山野 誠 東京大学, 地震研究所, 助教授 (60191368)
歌田 久司 東京大学, 地震研究所, 助教授 (70134632)
角皆 潤 東京大学, 理学部(日本学術振興会), 特別研究員
金澤 敏彦 東京大学, 地震研究所, 教授 (30114698)
芦 寿一郎 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (40251409)
石橋 純一郎 東京大学, 理学部, 助手 (20212920)
浜野 洋三 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (90011709)
中嶋 悟 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (80237255)
木下 肇 東京大学, 地震研究所, 教授 (10110347)
徳永 朋祥 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70237072)
木下 正高 東海大学, 海洋学部, 講師 (50225009)
藤井 直之 名古屋大学, 理学部, 教授 (60011631)
増澤 敏行 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助教授 (40023858)
竹内 章 富山大学, 理学部, 助教授 (20126494)
酒井 均 山形大学, 理学部, 教授 (00033126)
小川 勇二郎 筑波大学, 地球化学系, 教授 (20060064)
篠原 雅尚 千葉大学, 理学部, 助教授 (90242172)
加藤 義久 東海大学, 海洋学部, 助教授 (00152752)
安藤 雅孝 京都大学, 防災研究所, 教授 (80027292)
島村 英紀 北海道大学, 理学部, 教授 (10011636)
FOUCHER Jean イフレメール(フランス海洋開発研究所), 主任研究員
LALLEMAND Se モンペリエII大学, 研究員
LE Pichon Xa エコールノルマルシュペリオール(パリ高級大学院), 教授
CADET JeanーP パリ大学, 教授
BALMINO Ceor 国際重力局, 局長
TARITS Pasca 西ブルターニュ大学, 教授
HENRY Pierre エコールノルマルシュペリオール(パリ高級大学院), 研究員
LALLEMANT Si エコールノルマルシュペリオール(パリ高級大学院), 助教授
脇田 宏 東京大学, 理学部, 教授 (40011689)
藤 浩明 東京大学, 海洋研究所, 助手 (40207519)
徳山 英一 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10107451)
藤本 博巳 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (50107455)
末廣 潔 東京大学, 海洋研究所, 教授 (20133928)
玉木 賢策 東京大学, 海洋研究所, 教授 (30013535)
太田 秀 東京大学, 海洋研究所, 教授 (10013591)
平 啓介 東京大学, 海洋研究所, 教授 (50013579)
中山 英一郎 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (50108982)
平 朝彦 東京大学, 海洋研究所, 教授 (50112272)
徐 垣 九州大学, 理学部, 助教授 (90183847)
瀬川 爾朗 東京大学, 海洋研究所, 教授 (60013570)
SOH Won Faculty of Science, Kyushu University
LALLEMAND Siegfried Ecole Normale Superieure, France
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研究概要 |
本研究は、東部南海トラフおよび銭洲海嶺における沈み込み付加体の地殻変動や流体循環の学際的解明を目的とし、平成5年に発足した日仏共同KAIKO-TOKA15ケ年計画を中核とする国際共同研究である。初年度の平成6年度には国際研究連絡体制が整い、共同研究が順調に軌道に乗った。2年目から3年目にかけては、KAIKO-TOKAI計画の正念場として、多くの観測航海、潜航調査が日仏共同で行われ、国際的な研究成果報告や研究打合せも頻繁に行われた。以下に本研究の3年間に行った研究実績の概要を記す。 1.研究計画の立案と研究成果の詳細な検討を行うため、日仏KAIKO-TOKAI計画推進委員会(Steering Committee)を1年おきに日本とフランスで交互に開催した。平成6年度は6月6日〜7日にパリで開催し、平成6年及び7年度の計画立案を行った。7年度は11月15日に東京で開催し、フランス観測船アタランテ号と海洋研白鳳丸による調査計画、「しんかい6500」「しんかい2000」「ドルフィン3K」等による成果速報、ODPによる東部南海トラフ掘削計画等について綿密な打合せを行った。さらに8年度は12月2-3日にパリで開催し、膨大な観測データの検討とそれらの取りまとめ方針について話し合った。また、日本国内における研究体制の強化と情報交換を促進し、あわせて国内の研究進渉状況をレヴュ-するため、KAIKO-TOKAI計画国内連絡会を年1〜2回開催した。 2.共同研究の充実をはかるため、研究者の派遣と招聘を活発に行った。平成6年度には、地震波探査データ解析のため、徳山英一が渡仏(6年4月)、またS.ラルモンとP.アンリが来日(7年2月)した。7年度には再び徳山英一が渡仏し、南海トラフ周辺のMCS音波探査データ共同解析を推進した。また8年度には、付加体の地殻熱流量分布と地殻変動に関する共同研究実施のため、J-P.フ-シェを将聘した。 3.海洋研「白鳳丸」「淡青丸」、フランスIFREMERアタランテ号、海洋科学技術センター「しんかい6500」「しんかい2000」「ドルフィン3K」などの観測装備を総動員し、船上からの遠隔観測,海底地震計など現場観測機器の設置による長期観測,潜水船による直接観察と海底試料採取を日仏共同で継続して実施した。 4.国際的な視野のもとで、研究成果の適切なレヴュ-と情報交換を促進するため、多くの研究集会(米国地球物理学連合年会,国際地球内部電磁気研究集会,アジア海洋地質学会議,IUGG会議,RIDGEワークショップ,ODPワークショップ,海洋測地学国際会議など)で成果報告を行った。また、先端的な観測技術の導入をはかるため、海外研究施設の訪問と意見交換を積極的に実施した。 5.東部南海トラフの深海掘削に向けて、ODPにIetterofintentを提出(平成6年度)し、さらに正規の掘削プロポーザルを平成7年度に提出した。これらは高い評価を得、ODP掘削実現の可能性が高まっている。 6.上記のような研究活動を通じ、得られた主な成果は以下のようにまとめられる。 1)南海トラフにおけるプレート沈み込みに加え、南側の銭洲海嶺においてもプレート沈み込みが始まっていることが、海底地震計による観測や、干渉GPS法による実測によって明らかになった。 2)マルチナロ-ビーム、PASISSAR(多目的サイドスキャンソナー)、120チャンネル地震探査法など最新技術を投入し、南海トラフ周辺海域海底の詳細マッピングを実施した結果、従来に比べ格段に詳しい海底の堆積構造を明らかにした。 3)付加体冷湧水および特殊生物群集に関する地球化学的,地球物理学的,および生態学的研究により、冷湧水の化学的性質や、冷湧水活動に伴う熱および物質フラックスの解明が進んだ。平成8年度には、シロウリガイなどの化学合成生物群集にとって不可欠な、付加体堆積物から湧出する硫化水素が、間隙流体中に含まれるメタンガスの硫酸還元によって生成することを、メタンの炭素同位比から証明した。 これらの成果を総合的に討論し、学術論文として集大成するために、平成9年度にKAIKO-TOKAI国際シンポジウムを東京で開催する計画である。
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