地球規模の気候変動研究に関する国際協力

1994 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 06044047
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 住 明正 東京大学, 気候システム研究センター, 教授 (10179294)
• 研究分担者: RASCHKE E. ドイツGKSS, 教授 ; MAHLMAN J. 米国NOAA. 地球流体研究所, 所長 ; 佐藤 信夫 気象庁, 数値予報課, 班長 ; MOREL P. パリ大学(第5), 教授 ; TONNA G.L. イタリア、大気物理研究所, 研究員 ; 田中 浩 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (00115594) ; GADGIL インド、大気物理研究所, 研究部長 ; 小野 延雄 国立極地研究所, 企画調整官 (40001648) ; 新田 勍 東京大学, 気候システム研究センター, 教授 (00014762) ; 松野 太郎 北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 教授 (40037172) ; ANDRE J.C. フランス、気象局, 研究所, 所長 ; HOSKINS B.H. イギリス、レッディング大, 教授 ; 山岬 正紀 東京大学, 理学部, 教授 (40242101) ; 中島 映至 東京大学, 気候システム研究センター, 教授 (60124608) ; 武田 喬雄 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (60022604) ; 小池 俊雄 長岡科学技術大学, 建設系, 助教授 (30178173) ; 安成 哲三 筑波大学, 地球科学系, 教授 (80115956) ; MCBEAN G.A. カナダ、環境庁, 副長官 ; 杉ノ原 伸夫 東京大学, 気候システム研究センター, 教授 (50090519) ; 遠藤 昌宏 気象研究所, 海洋研究部, 室長 ; 長井 嗣信 東京工業大学, 理学部, 助教授 ; 竹内 謙介 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (00107450) ; 山形 俊男 東京大学, 理学部, 教授 (50091400)
• キーワード: 気候変動 / WCRP / GEWEX / CLIVAR / GAME / アジア・モンスーン / SPARC

研究概要

気候変動国際協同研究(WCRP)の枠組みのもとで、様々な研究計画の実施・計画活動に参加し、今後の研究動向等の策定について成果があった。
まず、主な研究計画であるGEWEX(全球水エネルギー循環研究計画)では、安成がSSGに出席し、日本が主導するGAME(GEWEXアジアモンスーン研究計画)を説明し、もう一つの主たる研究計画であるCLIVAR(気候変動予測研究計画)とのGEWEXとの重要な結び手であるという高い国際的な評価を得た。又、WMO(世界気象機関)のアジア地区会議にも出席しタイ国パタヤで、GAMEに関する国際研究集会を開催し、全世界から200余名の参加が得られる大きな成果があった。
CLIVARについては、代表者がSSGに参加し、今後の研究計画の立案に参加し、(1)年々変動、(2)数十年から数百年の変動、(3)人為的影響による気候変動の3本柱で研究をすすめることが確立された。又、日本が主張していたCLIVARとGEWEXの共通プロジェクトとしてのモンスーン研究という意見が逆に国際的に認知されることになったのは大きな成果であった。成層圏におけるオゾン研究については、SPARCという研究計画が立案中で日本から代表を派遣し、討議に参加した。
WGNEについては、日本の数値予報に関する発展を発表すると同時に、今後の数値モデルの発展に関する知見の交換を行った。その他、日本での責任でISLCCP(国際衛星地表面研究計画)進めることとなった。総じて気候研究において、日本の研究の役割の重要性が世界的に認識された一年であった。
その他、北太平洋海洋循環、雲の気候への影響、全球放射収支などについて調査の実績があった。

研究成果

• [文献書誌] R.Oki and A.Sumi: "Sampling Simulation of TRMM Rainfall Estimation using Radar-AMeDAS Composites" J.Appl.Meteorology. 33. 1597-1608 (1994)
• [文献書誌] Suzuki T.,S.Ito and K,Takeuchi: "Varibility of Upper Ocean at the equator,156E,Observed by R/V Hakuho Maru during TOGA-COARE IOP." J.Meteor.Soc.Japan. (in press).
• [文献書誌] T,Nagai,Y.Kitamura,M.Endoh and T.Tokioka: "Coupled atmosphere-ocean model simulations of E1Nino-Southern Oscillation with and without an active Indian Ocean." J.Climate. 8. 3-16 (1995)
• [文献書誌] R-H.Zhang and M.Endoh: "Simulation of the 1986-87 E1 Nino and 1988 E1 NIna events with a free surface tropical Pacific model." J.Geophys.Res.99. 7743-7759 (1994)
• [文献書誌] Yasunari,T.: "On the Two of ENSO" J.Meteor.Soc.Japan. 71.2.273-284 (1993)
• [文献書誌] Koike,T.,Seko,K.,Chen,X.,Tadano,T.,Tamagaawa,K.,Igarashi,H.and Takizawa,H.: "Monitoring ground surface condition on Tibetan Plateau by using satellite remote sensing." Bulleting of Glacier Research. 12. 95-104 (1994)
• [文献書誌] Misumi,R.,T.Takeda,M.Divjak and S.Tanahashi: "A numerical study on the formation of organized convective storma:Part 2.Dependence of "broken-line formation"of squall line on its line direction." J.Metor.Soc.Japan. 72. 873-884 (1994)
• [文献書誌] Kaufman,Y.J.,Gitelson,A.Karnieli,E.Ganor,R.S.Fraser,T.Nakajima,S.Mattoo,and B.N.Holben: "Size distribution and scattering phase function of aerosol particles retrieved from sky brightness measurements." J.Geophys.Res.99. 10341-10356 (1994)
• [文献書誌] Ishikawa,I.Y.Yamanaka and N.Suginohara: "Effects of presence of a circumpolar region on buoyancy-driven circulation" Journal of Oceanography. 50. 247-263 (1994)
• [文献書誌] Nitta.T and M.Kachi: "Interdecadal variation of precipitation over the tropical Pacific and Indian Ocean" J.Meteor.Soc.Japan. 72. 823-831 (1994)
• [文献書誌] Yamato,M. and H.Tanaka: "Aircraft observations of aerosols in the free marine troposphere over the North Pacific Ocean:Particle chemistry in relation to air mass origin" J.Geophys.Res.99(D3). 5353-5377 (1994)