研究課題/領域番号 |
06044059
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石田 洋一 東京大学, 工学部, 教授 (60013108)
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研究分担者 |
香山 正憲 工業技術院 大阪工業技術研究所ガラスセラミックス材料部, 主任研究員
S Ohuchi Fum Dept. of Materials Science and Engineerin, 教授
須賀 唯知 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40175401)
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キーワード | 電子顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / セラミックス / 界面 / 原子構造 / 電子構造 / バンド計算 |
研究概要 |
当該年度9月にはOhuchi教授が来日し、東大工学部石田、東大先端研須賀、大阪工研香山の各研究質に滞在し、議論、打合せを行った。石田研究室では、全体の計画を再確認し、須賀研究室では原子間力顕微鏡(AFM)によるSiC等の界面構造観察を共同で行った。大阪工研ではSiC/Al界面の電子構造・原子構造の実験観察法と理論計算法についての議論、打ち合わせを行った。11月には大阪工研香山が訪来し、Ohuchi教授の研究室に滞在し、SiC/Al界面についての理論解析を共同で行うとともに、実験と計算の比較、今後の研究方向について詳細な議論を行った。 研究内容は、須賀研究室で作製されたSic/Al常温接合界面について、石田研究室、須賀研究室で高分解能電顕観察、AFM観察が行われ、界面での介在物を介さないSiC-Al間の直接結合の存在の可能性が示唆された。これは、Ohuchi研究室によるSiC表面へのAlの吸着系での予備実験の結果と基本的に合致することが判明した。また、Ohuchi教授と香山は強結合近似法による理論解析を行い、SiC表面の再構成構造や原子種が金属との結合性を左右する可能性、特にAl-Si間とAl-C間とで相互作用がことなる可能性を明らかにした。さらに、大阪工研ではSiC/Al界面の第一原理バンド計算が行われ、Al-Si間接近する界面モデルとAl-C間が接近する界面モデルとでエネルギーや電子密度分布に大きな差があることなどの端緒的結果が得られた。 以上のように、各種実験観察、理論解析の共同により、SiC/Al界面の原子構造と電子構造についての端緒的知見が得られた。界面の原子種での結合の違いなど、今後の課題と方向が明確になった。
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