研究課題/領域番号 |
06044068
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井上 純一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (70176428)
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研究分担者 |
VERMA Inder ソーク研究所(米国), 教授
大塚 雅巳 京都大学, 化学研究所, 助教授 (40126008)
松田 覚 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50242110)
山梨 裕司 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40202387)
山本 雅 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40134621)
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キーワード | シグナル伝達 / 転写因子 / Re1 / NFkB / CD40 / 活性酸素 / 分子生物学 |
研究概要 |
1.TNF-α受容体からRel/IkB複合体へ至るシグナルの解析:ReI蛋白質の活性化には制御因子IkB蛋白質のシグナルに依存した急速な分解による不活性が必要である。TNF受容体由来シグナルの最終段階であるIkBの分解を分子レベルで解明するため、IkB中に存在する分解に必須な領域を同定した。その結果、IkB分子中央に存在するアンキリンリピート構造を欠失させると外来シグナル存在下でも安定であることが明らかとなった。(井上) 2.新規シグナル伝達因子の同定:今年度、TNF,IL-1受容体のみならずB細胞抗原であるCD40からのシグナルによりRe1/NFkBが活性化されることを見い出した。現在、酵母を用いたツ-ハイブリッドクローニング法によるCD40と相互作用する蛋白質を探索している。(山本、松田) 3.NFkB,IkB相互作用部位の同定:IkBのアンキリンリピートとそのC末端部位がNFkBとの相互作用に必要であることを既に報告している。さらにC末端部位を詳しく検討したところ酸性アミノ酸のクラスターが必要であることが明らかとなった。(井上) 4.Re1/NFkB及びIkBの細胞外刺激に伴う修飾:現在、種々のIkB変異体についてTNFα刺激後のリン酸化を検討している。(パ-マ) 5.転写を制御する化合物の分子設計とその合成:Re1/NFkBの活性化に活性酸素が関与していることが示されているが、活性酸素のどの分子種が重要であるかは不明である。大塚が合成した複素環化合物はsuperoxiside(O_2^-)を特異的に消去する活性を有し、しかもO_2^-の消去によりH_2O_2を生成しない。この化合物に脂肪酸を付加し細胞膜に取り込まれるように修飾したところ、TNF-αによるRe1/NFkBの活性化を抑制した。この結果は、Re1/NFkBの活性化にO_2^-が関与していることを強く示唆している(大塚)(798字)
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