研究課題/領域番号 |
06044076
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小田 俊理 東京工業大学, 量子効果エレクトロニクス研究センター, 教授 (50126314)
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研究分担者 |
MILNE Willia ケンブリッジ大学, 工学部, 教授
MOORE David ケンブリッジ大学, 工学部, 助教授
杉浦 修 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10187643)
松村 正清 東京工業大学, 工学部, 教授 (30110729)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 超高速デバイス / 超伝導デバイス / 極微細加工プロセス / 電子ビーム露光技術 / 超薄膜結晶成長 / 量子効果デバイス / 原子層エピタキシ- / 薄膜トランジスタ |
研究概要 |
1.超伝導超薄膜微細構造デバイス 東京工業大学の小田とケンブリッジ大学のム-アは共同で超伝導デバイスの研究を行った. (1)原子層制御MOCVD法による超伝導超薄膜結晶成長と超伝導特性評価 βジケトン金属錯体原料をコンピュータの指令によりパルス状にプログラム供給する原子層制御MOCDV法を用いてYBCO超薄膜を作製した。原子間力顕微鏡の観察により、YBCO薄膜の表面は原子レベルで平坦なテラス長が、STO基板で330nm、NGO基板で660nmと大きく、世界最高水準の超平滑表面の薄膜であることが分かった。膜厚が12nmという超薄膜も高い臨界電流を得ることができた。 (2)電子ビーム照射によるジョセフソン接合の作製と特性評価 収束電子ビーム照射により作製したYBCO薄膜ジョセフソン接合の臨界電流の磁場依存性の測定から、接合が均一にできていることが分かった。400Kにおけるアニールにより接合の劣化は改善できることが分かった。収束イオンビームを組合せて微細加工を行った。さらに、走査プローブ顕微鏡による接合作製についても検討した。 2.シリコン超薄膜超微細構造デバイス 東京工業大学の松村と杉浦は、原子層エピタキシ-法によりシリコン、ゲルマニウム、および絶縁物の超薄膜結晶成長を行った。ケンブリッジ大学のミルンは、ダイアモンド超薄膜の研究を行った。松村とミルンはシリコン薄膜トランジスタを研究した。小田は、シリコン量子細線、量子箱を作製し物性評価を行った。ム-アは電子ビーム微細加工により、シリコンマイクロメカニカルデバイスを作製した。 (1)シリコン、ゲルマニウムの原子層エピタキシ- ガス閉じ込め法により原料圧力を高くしてパルス供給を行い、シリコンおよびゲルマニウム超薄膜結晶成長を行い、1サイクル当り1分子層という理想的な原子層エピタキシ-条件を確立した。 (2)シリコントレンチ酸化膜量子細線の作製と特性評価 スーパーコンピュータを用いて、シリコン1次元量子構造の電子状態を数値計算した。電子ビーム露光技術とECR反応性イオンエッチングによりデバイスを試作し、極低温における容量電圧特性の測定により量子効果を実験的に検証した。 (3)時間変調プラズマプロセスによるシリコン量子箱の作製と物性評価 シランガスと水素ガスをプラズマセル中で分解して、直径10nm以下のシリコン超微粒子を作製した。周囲を酸化処理することにより室温で可視光の発光を観察した。また、原子間力顕微鏡の微細探針を利用して、1個のシリコン量子箱の電気特性を測定し、室温で単一電子トンネル現象を観測した。 (4)シリコン薄膜トランジスタ アモルファスおよび多結晶シリコンを用いた高性能薄膜トランジスタの研究を行い、信頼性の改善、高集積回路への応用、神経網回路への応用を検討した。さらに、プラズマアーク法を用いて、4配位ダイアモンド薄膜の堆積を行いp型n型の不純物ド-ピングに成功した。 (5)超高分解能電子ビーム露光によるシリコンマイクロメカニカルデバイス 電子ビーム露光と収束イオンビーム技術を組合せてシリコン微細加工を行い、微細トンネル効果デバイスを作製した。
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