研究分担者 |
PAVEL M.Boro ロシア科学アカデミー, シベリアし分・細胞学遺伝学研究所, 教授
子安 和弘 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (50183348)
原田 正史 大阪市立大学, 医学部, 助手 (20117964)
沢田 勇 奈良産業大学, 経済学部, 教授 (40031497)
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研究概要 |
1)1994年7月・8月にノボシビルスクおよびアルタイ周辺地域においてトガリネズミ科食虫類の採集を行い,日本産とロシア産との分類学的比較を行うとともに,実験動物としての評価を試みた. 2)スクラーゼ活性に着目してロシア産トガリネズミ類と日本産トガリネズミ類とを比較検討した.対象動物としてげっ歯目のApodemus属とCletinomys属の種を対象群とし,実験処理方法はほぼ同一とした. 日本産のものを調べてみると,ジネズミ亜科ニホンネズミは全て活性がみられ,トガリネズミ亜科6主エゾトガリネズミ,ヒメトガリネズミ,オオアシトガリネズミ,アズミトガリネズミ,シントウトガリネズミ,サドトガリネズミには酵素活性がみられなかった.一方,ロシア産ではジネズミ亜科のCrocidura sibericaは酵素活性がみられ,トガリネズミ亜科のSorex caecutiens,Sorex araneus,Sorex minutus,Sorex isodon,Neomys fodiensはスクラーゼ活性がなかった.したがってトガリネズミ亜科すべての種においてスクラーゼ活性が欠損しており,新たな疾患モデル動物の候補となりうることが考えられた.また二糖類水解酵素活性の有無がジネズミ亜科とトガリネズ亜科とを区分する1つの指標にできる可能性が考えられた. 3)頭骨形態からはサドトガリネズミはSorex caecutiens,エゾトガリネズミ,シントウトガリネズミと同じグループに属することがわかった. 4)染色体シナプトネマ構造はスンクス(ジヤコウネズミ)で調べた.寄生虫の検索では新種の条虫を2種ロシア産のトガリネズミから発見した.DNA分析は継続中である.
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