研究分担者 |
GHAZZI Mahmu ミシガン大学, 産婦人科, 博士研究員
KARSCH Fred ミシガン大学, 生理学, 教授
FOSTER Dougl ミシガン大学, 産婦人科, 教授
蛭薙 観順 名古屋大学, 農学部, 助手 (00126898)
武内 ゆかり 東京大学, 農学部, 助手 (10240730)
束村 博子 名古屋大学, 農学部, 助手 (00212051)
森 裕司 東京大学, 農学部, 助教授 (40157871)
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研究概要 |
平成6年9月に、研究代表者前多敬一郎および研究分担者の森裕司および束村博子がミシガン大学を訪問し、アメリカ側研究分担者のDouglas Foster教授,およびFred Karsch教授およびミシガン大学で実際にヒツジを用いて実験を行っている大学院生Dave BucholtzおよびLori Thrun(平成7年2〜3月にかけて来日)の両名を交えて、4日間におよぶミーティングを行い、向こう3年間の研究計画について話し合った。このミーティングで得られた合意のもと、平成7年2月20日より同年3月17日にかけて,3名の研究者が来日し、共同実験を行った。 代謝系による生殖系の調節に関する研究 Fosterらのグループでは、エネルギーの可不足が血糖値の変化として生体によって感知され、その結果、生殖系が制御されるとの仮説を導き出している。グルコースの拮抗剤である2DGの末梢投与および脳室内への投与により性腺系の指標である血中LH濃度はただちに抑制される。このことは血糖値のセンサーが末梢あるいは脳内に存在し、生殖系へその情報を伝えていることを示している。 名古屋大学においてこの実験に用いるラットのモデルを確立するため、平成7年1月より、卵巣除去および卵巣除去-ステロイド処置ラットを用いて、2DGの末梢および脳内投与を開始した。この実験には研究分担者であるBucholtzが平成7年2月20日より同2月25日まで参加し、2DGの末梢および脳室内投与により、血中LH濃度が顕著に抑制されることが明らかとなった。このとき、血糖値に対する生殖系の感受性に明瞭な性差が存在すること、さらに、脳内において血糖値をモニターする部位として、最後野付近が生殖系にとっても重要なことが示唆された。以上の結果は、平成7年11月アメリカで開催される北米神経科学会議においてミシガン大学と連名で発表する。 LH放出ホルモン(LHRH)のパルス状放出機構 森、武内らのグループでは、視床下部内側基定部より導出される多ニューロン発火活動の周期的上昇(MUA volley)がパルス状LH分泌と同期することを確認している。Karschらのグループは、下垂体門脈血の採血法により、LHRHのパルス状放出がLHのパルス状分泌と完全に同期することを示した。本共同研究では、MBHから導出されるMUA VolleyがLHRH放出すなわちLHRH pulse generatorの活動を示しているのかどうかについて確かめることを目的とする。このため、3月1日にKarschが来日し、東京大学において下垂体門脈採血の方法をヤギに応用するための実験を行った。その結果、ヒツジと同様の方法がヤギにも応用できることが明らかとなった。
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