研究課題/領域番号 |
06044106
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 (1996) 名古屋大学 (1994-1995) |
研究代表者 |
萩原 正敏 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (10208423)
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研究分担者 |
小畑 秀一 名古屋大学, 医学部, 助手 (10204273)
室 慶直 名古屋大学, 医学部, 助手 (80270990)
MONTMINY Mar ソーク研究所, 助教授
西沢 祐治 オクラホマ大学, 医学部, 研究員
臼倉 治郎 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30143415)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | CREB / CBP / ATF1 / リン酸化 |
研究概要 |
転写調節因子は細胞の分化・増殖等生命現象の根幹を制御するDNA結合蛋白であることが判明しつつある。Myc.Fos等癌遺伝子によって発現された蛋白も、実は転写調節遺伝子が本態である。これらの多くはリン酸化蛋白であり、リン酸化酵素によって制御を受けていると考えられるが、その詳細は全く不明である。転写調節因子CREBは、本研究分担者のMarc.Montminyが1987年cAMP Responsive Element(CRE)結合蛋白として発見し、AナーゼによってSer133がリン酸化されるとCRE遺伝子の転写活性が亢進することが示されている。しかしながら、in vitoroではAキナーゼ、CREB,RFIID等基本因子、ポリメラーゼII等の添加によって、リン酸化による転写亢進は観察されない。そこで、本共同研究では、CREBをモデル実験系としてリン酸化制御に関与する転写調節因子結合蛋白を同定、クローニングし、リン酸化感受性のin vitro転写調節系を再構成することを最終目的としてスタートした。転写調節因子のリン酸化に関しては、1989年頃から報告が急増している。しかし、リン酸化部位が未同定の場合や、同定はされてもそれを触媒するプロテインキナーゼが特定できないケースが多い。例えば、M.Karinらが、リン酸化を報告したAP-1は、Jun/Fos複合体で、それぞれ数ケ所リン酸化を受け、関与するプロテインキナーゼも、MAPキナーゼ、カゼインキナーゼ等複数種であり、まだin vitroのリン酸化機構は確定していない。これらの種々のリン酸化依存性転写調節因子のなかで、CREBは最もシンプルかつ生理的に重要なモデルとして注目を集めている。この利点を生かすことにより、ホルモン受容体から転写因子のリン酸化に至る全経路の解明を試みた。具体的な成果としては、一緊密な連携によりMarc.MontminyはCREB結合蛋白CBPにRSKが結合していることを見出し、CBP自体もリン酸化制御を受けていることを証明した。方、我々はCREBとATF1が活性化条件を異にするがともにリン酸化依存的にCBPに結合することを見出し、世界で初めて転写因子CREBにCBPが結合していることの電顕写真の撮影に成功した。また新しいMAPキナーゼキナーゼ(MAPKK6)をクローニングしCRE遺伝子の新しい制御系であることを証明した。
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