研究課題/領域番号 |
06044107
|
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
木村 宏 滋賀医科大学, 分子神経生物学研究センター, 教授 (40079736)
|
研究分担者 |
RENDA Tindar ローマ大学, 医学部(イタリア共和国), 教授
遠山 育夫 滋賀医科大学, 分子神経生物学研究センター, 助手 (20207533)
|
キーワード | デルトルフィン / PCR法 / 黒質線条体 / モノクローナル抗体 / ラット / 脳 / 生後発達 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
1.交付申請書に記載した全体計画に従って順調に研究が進んだ。その要約は、デルトルフィン様物質の脳内局在をラットの発育過程について調べたところ出生直前から直後にかけて一過性に出現するデルトルフィン含有神経細胞とその軸索突起を発見した。これらは大脳皮質、視床下部、視覚投射路などにみられ、これら脳機能の成熟にデルトルフィンが役割を果たしているものと考えられた。成熟につれてデルトルフィン含有神経終末は激減したが、黒質線条体ドパミン系には恒常的に認められ、運動制御系に対する役割が示唆された。一部の辺縁系も同様な傾向が認められた。 2.デルトルフィンのアミノ酸配列をもとに、予想される数種のmRNA配列を選定し、データベースとの照合を行った後に、3種の相補的mRNAプローブを作成した。これらのプローブを用いてラット脳において逆転写PCR法を行ったところ、1種類のプローブがPCR産物を作りうることが分かった。現在、このPCR産物の配列を解析中であるが、部分配列である可能性が考えられた。 3.デルトルフィンの生理活性を調べるこれまでの手法は、モルモット生還標本の収縮を調べるバイオアッセイである。このバイオアッセイの特異性を確立する目的でデルトルフィンとくに2位のD-アラニンを認識できるモノクローナル抗体を作成中である。現在、L-アラニンを含むペプチドとD-アラニンを含むペプチドを1万倍以上の高感度で認識するクローンが選別されつつあり、次年度には完成の見込みが極めて高いといえる。
|