• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

脊索動物の起源と進化に関する分子発生生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06044120
研究機関京都大学

研究代表者

佐藤 矩行  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30025481)

研究分担者 デビッドソン エリック・  米国カリフォルニア工科大学, 生物学教室, 教授
ジェフェリー ウィリアム  米国カリフォルニア大学, デイビス校・ボデが海洋研究所, 教授
キーワード脊索動物 / 起源と進化 / T遺伝子 / 無尾幼生ボヤ / ウニ / ギボシムシ / ナメクジウオ / 遺伝子発現
研究概要

最近になって脊椎動物(高等な脊索動物)の脊索の発生に関わる遺伝子(T遺伝子)がクローニングされた。我々がこの遺伝子のホモログを原始的な脊索動物である尾索類のホヤから単離してその発現を調べてみると、ホヤのT遺伝子は発生にともなって予定脊索細胞でのみ発現することがわかった。脊索は脊索動物を特徴づける最も重要な形質の一つである。そこで、脊索動物を含む新口動物の中で、脊索をもたない棘皮動物のウニや半索動物のギボシムシ、脊索をもつ尾索類のホヤや頭索類のナメクジウオのT遺伝子の解析を通して、脊索動物の起源と進化を分子発生生物学的に研究したいと考えた。本年度の研究では次のようなことがわかった。
1.T遺伝子はウニでも保存されている。その発現は一過的で、原腸胚期に二次間充織の創始細胞で発現する。
2.ギボシムシの初期発生の観察に成功した。現在T遺伝子の単離を急いでいる。
3.ホヤでは少なくとも二つの異なるT遺伝子が存在し、一つ(As-T)は嚢胚期に形成されつつある脊索でのみ発現し、もう一つ(As-T2)は尾芽胚期に筋肉系の細胞と尾の先端の細胞で発現することがわかった。
4.無尾幼生ボヤでが脊索は分化しないもののT遺伝子の発現が起こっていることが示す予備的結果が得られた。
5.ナメクジウオではT遺伝子は尾芽胚期の筋肉系の細胞と脊索で同時に発現することがわかった。
以上の結果から、T遺伝子は全ての新口動物で保存されており、本来中胚葉形成に関与していた遺伝子が、脊索動物の出現とともに脊索形成に関与するようになったものと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Satoh,Noriyuki: "Chasing tails in ascidians: develop-mental insights into the origin and evolution of chordates" Trends in Genetics. 11. 354-359 (1995)

  • [文献書誌] Yasuo,Hitoyoshi: "The role of T genes in the organi-zation of the notochord during chordate evolution" Seminars in Develop. Biol.6. 417-425 (1995)

  • [文献書誌] Terazawa Kouzou: "Spatial expression of the amphioxus homologue of Brachyury (T) gene during early embryogenesis of B. belcheri" Develop. Growth Differ.37. 395-401 (1995)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi