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1996 年度 実績報告書

コラーゲン特異的分子シャペロンHSP47の生理的機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 06044125
研究機関京都大学

研究代表者

永田 和宏  京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (50127114)

研究分担者 WALSH David  シドニー大学, 主任研究員
GREENSPAN Da  ウィスコンシン大学, 准教授
KLAUS Kuhn  マックス, プランク研究所, 教授
細川 暢子  京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (00263153)
中井 彰  京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (60252516)
キーワードストレス蛋白質 / HSP47 / プロコラーゲン / 分子シャペロン
研究概要

HSP47は、小胞体に局在し、コラーゲンに結合性をもった、コラーゲン特異的分子シャペロンである。HSP47は、結合性および機能において基質(コラーゲン)特異性をもつだけでなく、その発現自体も基質であるコラーゲンと厳密に相関する調節を受けている。
HSP47アンチセンスRNAを導入することによって、コラーゲン合成がどのような影響を受けるか、また、合成されたプロコラーゲンの3量体形成や分泌にどのような影響があるかを検討した。HSP47cDNAをサイトメガロウイルスのエンハンサー、βアクチンのプロモータの下流にアンチセンス方向につなぎ、細胞に導入して安定発現株を得た。この細胞では、HSP47の合成量、蓄積量、およびmRNA量がいずれも顕著に減少していた。興味深いことに、この細胞では、HSP47の減少のほかに、コラーゲンの合成そのものが低下していることがわかった。コラーゲン合成の低下は、蛋白質レベル、mRNAレベルでも観察され、転写レベルの制御であるものと思われた。
一方、このようにHSP47量の低下した細胞における、新たに作られたプロコラーゲンの分泌速度を、パルスラベル/チェイス法、免疫沈降法を用いて検討すると、プロコラーゲンの細胞外への分泌速度の低下が観察された。さらに、HSP47およびコラーゲンの減少株に、あらたにコラーゲンα1鎖cDNAを導入した。HSP47減少株では、導入されたコラーゲンα1鎖は、ほとんど不溶分画に回収された。これは、HSP47が、コラーゲンに特異的な分子シャペロンとして、コラーゲンの分泌に積極的な役割をはたしていることを示唆しており、分子シャペロンとしてのHSP47の機能が確認された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.NAGATA: "HSP47:a collagen-specific molecular chaperone in the endoplasmic reticulum." TiBS.(Trends in Biochemical Sciences). 21(1). 23-26 (1996)

  • [文献書誌] T.S.H.EL-THAHER: "The pH-dependent,ATP-independent interaction of collagen specific serpin/stress protein HSP47" Prot Pept Lett.3(1). 1-8 (1996)

  • [文献書誌] M.SATOH: "Intracellular interaction of collagen-specific stress protein HSP47 with newly synthesized procollagen" J.Cell Biol.133(2). 469-483 (1996)

  • [文献書誌] J.NISHIZAWA: "Reperfusion causes sighificant activation of heat shock transcription factor 1 in ischemic rat heart" Circulation. 94(9). 2185-2192 (1996)

  • [文献書誌] K.NAGATA: "Regulation and function of collagen-specific molecular chaperone,HSP47" Cell structure and Function(Dynamics of the cell). 21(5). 425-430 (1996)

  • [文献書誌] A.NAKAI: "HSF4,a new member of the human heat shock factor gene family which lacks properties of a transcriptional activation" Mol.Cell.Biol.17(1). 469-481 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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