研究課題
1)B細胞株WEHl-231を用いて、株化FDCによるB細胞アポトーシスの阻害機構を検討した。FDCとの反応は、slgクロスリンクによるアポトーシス以外に酸化ストレスなどいくつかの異なる刺激によるWEHl-231のアポトーシスも阻害した。したがって、CD40シグナルとは異なり、FDCはB細胞のアポトーシスをその共通経路で阻害するものと考えられる。またその分子機構を解明する目的で株化FDCの膜抗原に対するモノクローナル抗体を5つ樹立した。2)CD40シグナルがlL-4やTGF-bと共存下でクラススイッチを高頻度で誘導するB細胞株CH12を用いて、CD40シグナルによるクラススイッチ誘導の機構を検索した。その結果、CD40シグナルがCH12細胞のla鎖のメチル化には影響を与えずに胚型転写物の産生を誘導することが明らかとなり、この機構がCD40シグナルによるクラススイッチの誘導で何らかの役割を果たすことが示唆された。3)CD40シグナルにより発現が誘導される遺伝子を単離するため、CD40シグナルによりアポトーシスが阻害されるB細胞株WEHl-231を無刺激でまたは抗CD40抗体で刺激してmRNAを分離し、differential display法で抗CD40抗体で刺激した細胞でのみ発現する遺伝子の同定を試みたが、成功しなかった。その原因はdifferential display法がPCR反応を用いているために定量的な比較が困難であったためと考えられた。そこで、我々は、効率の良いサブトラクション法の確立を行った。来年度はこの方法を用いて、CDシグナルにより発現誘導される遺伝子を単離する。
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