研究課題/領域番号 |
06044135
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
朝山 邦輔 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (20029416)
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研究分担者 |
COQBLIN B. オルセー固体物理研究所, ディレクター
BERTHIE C. グルノーブル大学, 光学研究所・NMR部門, 主任研究員
STEGLICH F. ダルムスタット大学, 物理部, 教授
FLOUGUET J. グルノーブル原子核研究センター, 凝縮系部門, 部長
三宅 和正 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (90109265)
北岡 良雄 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (70110707)
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キーワード | 酸化物高温超伝導 / 重い電子系物質 / NMR / d波対 / 反強磁性 / URu_2Si_2 / UPd_2Al_3 / UNi_2Al_3 |
研究概要 |
1994年7〜8月に北岡良雄、鄭国慶、石田憲二、三宅和正を超伝導国際会議(グルノ-ブル)、強相関国際会議(アムステルダム)、f電子系国際会議(プラハ)、日独シンポジウム(ミュンヘン)、合成金属の国際会議(ソウル)、グルノ-ブル極低温研究所、同原子核センター,ダルムスタット大学、グルノ-ブル大学、チューリッヒ大学等に派遣し、重い電子系超伝導及び銅酸化初高温超伝導等の研究に関する情報収集、交換および日独、日仏の共同研究の打合せを行った。 一方、1995年1〜2月にグルノ-ブル原子核センターJ.Flouquet氏と同極低温研究所のP.Brison氏を招聘し、重い電子系超伝導、高温超伝導体についての研究情報交換・問題点の整理・NMR共同研究を行った。 ドイツ側で製作された良質のUPd_2Al_3,Uni_2Al_3のAlのNMRを行った。UPd_2Al_3,UNi_2Al_3はともに反強磁性と超伝導が共存する系で前者はUあたり1μ_B程度の大きなモーメントを持つ。T_C直下の1/T_1はコヒーレンスピークを持たずに120mKまでT^3に比例する。これらの結果はd波ク-パ-対モデルでよく説明出来る。UNi_2Al_3ではT_N以上で弱い遍歴電子型の振舞を示し、T_c以下でやはりT^3に比例する。このように遍歴電子型反強磁性秩序を持ちT_c以下d波的振舞を示す物質はNMRでは初めて観測された。T_C以下の振舞は高温超伝導の結果と非常によく似ており高温超伝導発現機構解明に重要な手がかりを与えている。 URu_2Si_2,UBe_<13>ではSi,BeのナイトシフトはT_C以下で不変、μSRでは減少という矛盾した結果を示し、He_2近傍ではFulde-Ferrell状態が現れると言われている。URu_2Si_2でク-パ-対がPかd波か、またF-F状態が実証するかを調べるために良質の単結晶をフランス側が製作し、阪大でNMR測定を始めた。予期せぬ震災の影響で、研究が予定より遅れていることもあり、これらの研究は来年度も引続き行われる。
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