1.ヘパリン中の血小板結合ドメインに関して:以前の実験よりヘパリン-血小板結合に必須であると推定されていたKey Disaccharideの大量入手可能な合成経路を確立でき、さらに合成したDisaccharideを用いて血小板結合能を検討する事により、推定Disaccharideが血小板結合に大きく関与することを合成化学的構成の手法により確認することができた。さらにクラスタリング効果について検討するため、ヘパリン分子中の推定Disaccharideを複数組み込んだオリゴマーモデルの合成を行い、2単位組み込んだ最初のモデル化合物を合成した。そして、ヘパリンを酵素で限定分解して得たヘパリンフラグメントと血小板結合能を平成7年3月に比較検討する予定である。 2.新規架橋化剤に関して:その基本となる化合物の合成を完了し、ヘパリンに対する高い標識反応性を確かめ、また標識化されたヘパリンはその生物活性を保持していることを確認した。引き続きその架橋反応性を既知のヘパリン結合性蛋白質を用いて確かめようとした。その際低濃度の〔^3H〕化へパリンを用いたが、そのSDS-PAGEによる解析において、一般のオートラジオグラフィーでは解析は非常に困難であることがわかり、新技術であるイメージングプレートを用いて予試験的に実験を行った。また、キャピラリー電気泳動を用いて、ラジオアイソトープを使用しないでも解析できる系を構築中である。 3.血小板膜画分中のヘパリン結合性蛋白質に関しては、Gel-overlay法により幾つかの蛋白質を同定できた。さらにこの方法を改良すればより多くの情報を得ることができると思われるので、これを平成7年3月に共同研究者とともに行う予定である。その際、westem-blottingをも同時に行い、それらの蛋白質の抗体を用いた同定を行う予定である。
|