研究課題/領域番号 |
06044153
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
土屋 友房 岡山大学, 薬学部, 教授 (80012673)
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研究分担者 |
PETER C. Mal ジョンズ ホプキンズ大学, 医学部, 教授
黒田 正幸 岡山大学, 遺伝子実験施設, 助手 (00253005)
津田 正明 岡山大学, 薬学部, 助教授 (80132736)
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キーワード | 能動輸送 / エネルギー共役 / シンポーター / アンチポーター / 機能部位 |
研究概要 |
イオンと共役する細胞膜能動輸送系について、主として生理学面・生化学面・遺伝子面からの解析を行った。特に、大腸菌とネズミチフス菌のNa^+/メリビオースシンポーター、Na^+/H^+アンチポーター、腸炎ビブリオのNa^+/グルコースシンポーター、Na^+/H^+アンチポーターとシトロバクターのH^+/ラクトースシンポーターについて、解析を進めた。メリビオース系については、カチオン共役に関与する部位の他に、輸送制御に関与する部位、温度感受性に関与する部位の解析を行った。腸炎ビブリオの細胞膜には、フォスフォトランスフェラーゼ系の他にNa^+の電気化学的ポテンシャルを駆動力とするグルコース輸送系、すなわちNa^+/グルコースシンポーターが存在することを見いだした。この系の性質を詳細に解析すると共に、遺伝子のクローニングと構造解析を行った。そしてこの輸送系が、ヒトのグルコース輸送系などと一次構造上でかなり類似していることが明らかになった。腸炎ビブリオの栄養輸送タンパク質とヒトの栄養輸送タンパク質の間に、アミノ酸配列の類似性があることが示された最初の例である。一方、シトロバクターのH^+/ラクトースシンポーターについても、性質の解析を行うと共に遺伝子のクローニングと構造解析を行った。その結果、やはり他の輸送タンパク質との間に構造の類似性があることがわかった。その類似性から、カチオン共役部位や基質認識部位に関する知見が得られた。また、腸炎ビブリオのNa^+/H^+アンチポーターについても、その性質を詳しく解析すると共に、遺伝子のクローニングと構造解析を行った。さらに、他の生物のNa^+/H^+アンチポーターとの比較から、機能部位に関する知見が得られた。そして、細胞生理における意義に関する新たな知見も得られた。
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