研究課題/領域番号 |
06044172
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山崎 常行 九州大学, 理学部, 教授 (10108649)
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研究分担者 |
WICKNESWARI アール マレーシア森林研究所, 主任研究官
ABSHUKOR N.A ペンタニアン, マレーシア大学・林学科, 講師
津村 義彦 林野庁森林総合研究所, 生物機能開発, 研究員
仁田坂 英二 九州大学, 理学部, 助手 (60222189)
原田 光 九州大学, 理学部, 助手 (40150396)
館田 英典 九州大学, 理学部, 助教授 (70216985)
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キーワード | Shorea / RAPD / genetic diversity / PCR / 集団構造 / Gap C / クロロプラスト / 熱帯雨林 |
研究概要 |
1)RAPD(Random Amplification of Polymorphic DNA)法を用いたgenetic diversityの推定:Pasir Panjan Forest Reserve(Negeri Sembilan)よりSchorea leprosula,S.accuminataおよびS.curtisiiのそれぞれ30個体から葉のサンプルを採集した。CTAB法によりDNAを抽出し、各種から10個のサンプルをランダムに選んでPCR装置にかけてゲノムDNAのランダムな部位を増幅した。プライマーはオペロンテクノロジー社から購入した10塩基からなる20種のランダムプライマーを用いた。3種について合計333本のバンドが得られた。これらについて集団遺伝学的解析を行った結果、種内にはかなりの遺伝的変異が蓄積されていることがわかった。これらの値はショウジョウバエで得られている値よりかなり大きいものであった。種内の平均のヌクレオチド置換は種内の約1.5倍であるが、S.leprosulaの間の距離はこれらとS.accuminataとの距離よりも有意に近く、Wolfeら(J.Mol.Evol.29,1989)によるヌクレオチドの植物の核ゲノムでの置換速度6x10^<-6>/世代/年を用いて、S.curtisiiとS.leprosulaがS.accuminataから分岐したのは1060000年前、S.curtisiiとS.leprosulaが分岐したのは760000年前と推定され、3種は互いに近縁関係にあることがわかった。 2)DNA塩基配列に基づく遺伝的変異の解析:1995年1月にはGunnug Jerai Forest Reserve(Kedah)およびManon Forest Reserve(Perak)で上記の3種のShorea属に加えて、S.parvifolia,S.macropteraの採集を行った。これらのサンプルからDNAを抽出し、クロロプラストの遺伝子(trn L-F spacer)およびゲノム遺伝子(Gap C)をPCR増幅し、塩素配列の決定を行った。全サンプルの結果はまだ出ていないが、これから集団内、集団間のgenetic diversityと集団構造に関するデータを得る予定である。
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