研究課題/領域番号 |
06044187
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
水光 正仁 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00128357)
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研究分担者 |
LIU ChauーChi ロックフェラー大学, 生化学部, 助教授
LIU MingーChe テキサス大学, ヘルスセンター, 準教授
江藤 望 宮崎大学, 農学部, 助手 (90232959)
貴島 裕治 宮崎大学, 農学部, 助手 (60192556)
西山 和夫 宮崎大学, 農学部, 助教授 (40164610)
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キーワード | 硫酸化チロシン / 翻訳後修飾 / 硫酸転移酵素 / 組換え蛋白質 / ヒルジン / ゴルジ体 / ミクロソーム / 分泌蛋白質 |
研究概要 |
本国際共同研究では翻訳後修飾としてのチロシン硫酸化の機能解明と遺伝子工学の産物即ちリコンビナント蛋白質の効率良いチロシン硫酸化を目的として研究した。 牛肝臓ミクロソーム画分の蛋白質チロシン硫酸転移酵素の諸性質の検討を行った。その結果、至適pHは6.25、至適温度は35℃、5mMのMn^<2+>の存在下で最も高い酵素活性を示した。異なるペプチドに対する基質特異性を検討したところ、本酵素活性にはチロシンの-1に酸性アミノ酸が必須であり+1の疎水性を増大させることで、その活性はある程度まで高められることが判明した。本酵素を用いて組換えヒルジンを硫酸化した場合、天然のヒルジンと同様、C端から3番目のチロシン残基のみが特異的に硫酸化されることが判明した。また、分泌蛋白質が少ないと思われる牛心臓より蛋白質チロシン硫酸転移酵素を見出したので、本酵素が心臓の生理的役割の制御に大きな役割を持つペプチドと深い関わりを持つのではないかと考え、その諸性質を検討した。その結果、pH6.0付近に至適pHを持ち、最大酵素活性のためには15mMMn^<2+>などの2価の陽イオンが必要であり、また、その他の諸性質は牛肝臓由来の同酵素と似た性質を示すことを明らかにした。 一方、ラット肝臓の細胞質可溶性画分に今までに報告されていない遊離のチロシン硫酸転移酵素を見出した。本酵素の至適pHは8.0で10mMMn^<2+>で活性化された。L-チロシンに対するKm値は1.9mMと非常に高く、生体内のチロシン濃度の調節に関与している可能性が示唆される。また、アミノ酸転移、脱炭酸、アセチル化等が知られているチロシンの代謝経路に新たに硫酸化という経路の存在の可能性が考えられた。
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