研究課題/領域番号 |
06044188
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
原口 みさ子 鹿児島大学, 医学部, 助手 (10244229)
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研究分担者 |
FOJO Antonio 米国国立癌研究所, 主任研究員
住澤 知之 鹿児島大学, 医学部, 助手 (90206582)
吉村 昭彦 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (90182815)
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キーワード | P-糖蛋白質 / 多剤耐性 / アドリアマイシン / MRP / グルタチオンSトランスフェラーゼ / トポイソメラーゼ / プロゲステロン |
研究概要 |
我々は主としてP-糖蛋白質の機能の調節機構の解明を行なう予定であったが、P-糖蛋白質の関与しない多剤耐性株の解析の研究が世界的に進んだためこの研究を優先的に行ない以下の結果を得た。 1)P-糖蛋白質が担う多剤耐性に対する耐性克服薬剤であるセファランチンと突然変異誘導剤メゼレインの存在下にヒト口腔内類表皮癌KB細胞を培養し、抗癌剤アドリアマイシンを培地中に添加した。漸次、抗癌剤アドリアマイシン濃度を上昇させたところP-糖蛋白質を発現しないアドリアマイシン耐性細胞株がえられた。この結果はSomatic Cell and Molecular Geneticsに投稿し現在in Pressである。 2)そしてこのP-糖蛋白質を発現しないアドリアマイシン耐性細胞株がクイーンズ大学のコールらによって発表されたMultidrug Resistance-associated Protein(MRP)を発現していることをMRPに対する抗体を用いたウエスタンブロットによって確認した。 3)このP-糖蛋白質を発現しないアドリアマイシン耐性細胞株のアドリアマイシンに対する耐性度とMRPの発現量はある程度まで相関するがそれ以上になると耐性度に比較しMRPの発現量の上昇が減少する。この場合トポイソメラーゼIIの発現減少が耐性を担うことが確認した。 4)P-糖蛋白質を発現しないアドリアマイシン耐性細胞の耐性克服薬剤のスクリーニングを行った結果、P-糖蛋白質が担う多剤耐性に対する耐性克服薬剤であるPAK-104Pが有効であることがわかった。 5)大腸癌、胃癌、肺癌におけるMRPの発現を検討した。
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