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1994 年度 実績報告書

血管平滑筋と心筋のKチャネルの差異に関する分子生物学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 06044192
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

渡辺 稔  名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (50012638)

研究分担者 WALSH Michae  カンガリー大学, 医学部, 教授
GILES Wayne  カンガリー大学, 医学部, 教授
宇山 佳明  名古屋市立大学, 薬学部, 研究員
村木 克彦  名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (20254310)
今泉 祐治  名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (60117794)
キーワードイオンチャネル / 心筋 / 平滑筋 / カリウムチャネル / 冠動脈 / 抗不整脈薬 / クローニング / PCR法
研究概要

まず心筋細胞と冠動脈平滑筋細胞での遅延整流型K電流の性質の違いと薬物感受性の違いを通常のホールセルクランプ法を用いて比較検討した。心筋細胞はモルモット、ウサギのものを用い、冠動脈はブタ及びウシのものを用いるという違いはあったものの、心筋・冠動脈平滑筋の遅延整流型K電流の活性化・不活性化の時間及び電位依存性が大きく異なることを定量的に明らかにした。さらに心筋遅延整流型Kチャネルを選択的に抑制する、所謂クラスIIIの抗不整脈薬の作用を検討した。また、主作用であるNaチャネル抑制に加え、Kチャネル抑制を合わせ持つ幾つかのクラスIの抗不整脈薬の作用についても比較検討した。
その結果、幾つかの代表的なクラスIII抗不整脈薬は、心筋遅延整流型K電流のうち、活性化の早い成分を選択的に抑制し、冠動脈では300倍以上の濃度でのみ作用することが明らかとなった。一方、キニジンやリドカインなどは殆ど心筋に対する選択性はなく,冠動脈平滑筋のCaチャネルが活性化された病態では、Kチャネル抑制により細胞膜の興奮性を上昇させ、収縮が増強される可能性が考えられる。これらの成果は前半部分がAmerican Joural of Physiologyに発表予定(印刷中)であり、後半部分は投稿準備中である。
一方、既にクローニングされている心筋あるいは脳の遅延整流型及び内向き整流型Kチャネル遺伝子の情報を元に、冠血管平滑筋細胞の遅延整流型及び内向き整流型KチャネルcDNAをクローニングすることを試みた。cDNAライブラリーをウサギ冠動脈から得るのは難しいため、逆転写を利用したRNA鋳型からのPCR法による増幅を利用した。また、より量の多い腸管平滑筋組織からも鋳型RNAを得て対照とした。その結果、腸管から脳内向き整流型KチャネルcDNAとほぼ相同な遺伝子が得られた。現在その塩基配列を同定するとともに、冠動脈でさらに増幅度を高めて検討している。
幾つかの技術の習得のために若手の研究者をGiles,Walsh両教授のもとに派遣した。また、論文作成と来年度の研究推進について打ち合わせのためWalsh教授が来日した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K.Muraki,et al.: "Roles of delayed rectifier K current in rabbit atrial myosytes" Am.J.Physiol.(in press).

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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