研究分担者 |
AROCHAーPINAN ピニャンゴ カルメンルイ ベネズエラ科学研究所, 主任研究員
WEISEL John ペンシルバニア大学, 医学部, 教授
朝倉 伸司 自治医科大学, 医学部, 講師 (70245033)
三室 淳 自治医科大学, 医学部, 講師 (10221607)
諏合 輝子 自治医科大学, 医学部, 講師 (60183844)
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研究概要 |
初年度の研究を下のように継続発展させた. 1) Dr.Weiselとの共同研究:初年度の研究実績報告書に記したように,Fbg Caracas II異常分子の電子顕微鏡下での観察から数々の新しい情報が得られた.これらを共同研究者二人と共にJ.Biol.Chem.に投稿して受理され,目下印刷中である(研究発表を参照).Caracas IIでは正常分子に比してフィブリン網が荒く,処々に大きな洞孔状をなす像が得られている.これに呼応して,フィブリン塊での水溶液の透過性は高く,血流障害には直接結びつかない事実と符合した. 2) Dr.Arocha-Pinangoとの共同研究:上記の他,先方の研究室からDr.Lundbergが来訪し,10月の一杯本学に滞在して,新たにベネズエラで発見されたFbg Guarenas Iの精製と構造解析を手がけた.僅か一ヶ月間であり,構造異常を同定する迄には到らなかったので当教室で分析を継続している. 3) 其の他の国際共同作業について:ドイツで見出されたFbg Marburg IはAα鎖のC末150アミノ酸残基を欠如し,慣用の方法での精製は困難とされ,我々に分析依頼がなされているものである.しかし,本分画はFbgのカルシウム依存性構造を認識するモノクロナル抗体を担体とする免疫親和性クロマトグラフィーで容易に精製することが出来た(Thromb.Haemost.73:662,1995).精製分画での分析から,XIII因子に触媒される分子間架橋のパターンが明らかに異常であることが判明し,更に検討を加えている.この成績を共同研究者と討論するとともに関連する学術集会で報告した(MarburgとJerusalem,6月).また,患者検体(Fbg Marburg I,Fbg Gerris)を新たに入手することが出来たので,その分析も進めている. 別に,Wisconsin大学のMosesson教授とも共同研究を進め,当教室で発見したFbg Tokyo IIに於いてフィブリン分子の重合に関わる新しい構造-機能関係の異常が見出されたので報告した(J.Clin.Invest.96:1053,1995).
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