研究課題/領域番号 |
06044203
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
天野 マキ 東洋大学, 社会学部, 教授 (50106035)
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研究分担者 |
VIANELLO Min University of Rome La Sapienza. ITALY, Professor
石川 晃弘 中央大学, 文学部, 教授 (80055178)
松浦 千誉 拓殖大学, 政経学部, 教授 (70181691)
細井 洋子 東洋大学, 社会学部, 教授 (80073633)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | Gender / トップリーダー / 権力構造 / 政治的リーダー / 経済的リーダー / 国際比較 / 男女間格差 / 比較調査 / GENDER DISCRIMINATION |
研究概要 |
1.研究目的:本研究の目的は(1)29ヶ国29大学及び研究機関の研究者が同一の枠組み・仮説のもとに同一の調査票を用いて実施する国際比較調査研究に参加して、国際比較研究のための日本調査を実施し、(2)当該調査の結果分析を通して日本の実態を解明し、その国際的位置を確認することであった。国際比較調査は以下三点の調査目的に集中して実施された。1)政治的、経済的権力構造における女性の社会的劣位性の解明、2)階級的、経済的、家族的背景や社会的体験等多様な文化的背景に起因する女性の社会的地位の流動的パターンの究明、3)女性が種々の障害を克服し社会的リーダーシップを獲得するメカニズムを男性の状況との比較検討を通して確認すること。 2.1994年度研究実績の概要: (1)1994年3月に日本の国会議員全員に、各国共通の調査票を用いて、郵送法によるアンケート調査を実施し、3分の1の回収率を得た。回収票については、集計を行い、その結果を1994年7月、国際社会学会のセッションの一つとして開催された国際共同研究第一回合同ミーティングにおいて報告し、その後の調査活動の叩き台として評価された。(2)第一回国際共同研究会は、1994年7月18、19日に開催され、日本からは、石川晃弘、松浦千誉、天野マキが参加し、アメリカ、オランダ、カナダ、イスラエル、オーストリア、ドイツ、イタリア等の共同研究者が30人程集まり討議を重ねた、(3)8月27日〜31日まで、細井洋子が、イタリア・ローマに、当該研究のコーディネーターであるMino教授を訪問し、7月の合同ミーティング以降の調査活動の進行方向を確認し、集計方法等を討議して帰国し、その後の調査活動に効果的な指針を提示した。 (4)1995年2月16日〜3月1日まで、また、2月19日〜3月5日まで、細井洋子、天野マキが、ローマにてMino教授と共同討議を行い多くの成果を得た。 3.1995年度研究実績の概要: (1)1995年6月15日〜7月20日まで、研究分担者であり、コーディネーターであるローマ大学のミノヴィアネロ教授が来日、集計中の日本データについて、コンピューター入力の統一的方法を教示した。 (2)7月22日から8月21日まで、石川晃弘がスロバキア・プラティスラバに先発し事例調査のための予備調査を実施した。(3)8月22日〜29日まで、石川晃弘、細井洋子、松浦千誉、天野マキの4人で、スウェーデン・ストックホルムで面接調査を実施。対象者は、女性のリーダーシップに関係深い、男女平等オンブズマン、女性裁判官、女性国会議員、女性会社経営者等であった。日本の女性リーダー調査の集計分析中であったところから、スウェーデンの女性リーダーとの共通性や異質性が明らかになり、興味深いものがあった。ただし、一週間の調査では、調査対象も限定されるところから、次年度の継続調査の必要性が確認された。(4)8月29日〜9月8日まで、スロバキア・プラティスラバで、研究協力者と打ち合せをおこなう。スロバキアを中心に、かっての社会主義国における女性のリーダーシップの変容過程を調査することの可能性を検討すると共に社会変動をキーワードにした女性の社会・家庭生活の変容に関する比較研究の可能性を討議し、調査実施についての合意を得た。 4.1996年度研究実績: (1)平成7年度完了予定の調査が各国とも遅れ、日本調査もビジネス・リーダーに関する調査が難航していたが、1996年3月までにビジネス・リーダーに関する調査を完了。 (2)1996年4月〜9月にかけて、共通のコード・ナンバーにそって調査データをフロッピ-・ディスクに入力し、ローマの事務局に発送。1997年2月28日現在、28ヶ国のデータが集まり目下分析中である。 (3)スウェーデン、スロバキア、イタリアについて、事例調査を実施するため、共通の調査項目等を起案して英訳、調査票作成の準備に着手。 (4)調査項目をもとに調査票を作成するため、スロバキア、スウェーデン、イタリアについてプリテストを企画、1997年2月2日〜2月11日にスロバキア、2月25日〜3月2日に、スウェーデン、3月10日〜16日に、イタリアについてのプリテストを終了。1997年8月に調査実施予定である。 (5)Mino教授をコーディネーターとする本調査の分析が終了し、報告書が出版されるのは、1998年以降になることを予想されるが、日本調査に関する研究成果は、1997年度中に出版予定である。
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