研究課題
第9次5カ年計画策定の最終段階を迎えて中国産業政策においても流動的要素が拡大し、企業変革も加速される可能性も高まりつつあるので、目を離せない状況にある。中国自動車産業の急速な発展は、上海大衆車のサンタナ最終組立ラインがタクト2分で動いていることに示されている。現状において生産効率は、ほとんどの工場で、リーン生産方式の導入、生産システムの高度化によって向上してきている。日本の自動車産業の進出は、自動車部品産業を中心とした部門に主力が置かれており、日系の自動車部品企業の中国進出は、数年前に10社程度であったものが、最近では、急速に拡大しつつある状況にある。中国電力産業の最大の課題は、急激な経済成長に追随できない電力供給設備の不足の解消にある。この深刻な電力不足の解消のためには、設備容量の拡大に必要な資金の確保が急務となっている。しかるに(1)物価政策との絡みで、電力料金が発電コストを割り込む低い水準に置かれているために投資回収が難しい(2)投資回収のベースとなる経営主体の形成が遅れいる等の要因が産業内に内在しており、その解決が焦眉の課題となっている。テレビ産業においては、「自主権の下放」が進展し、生産営業自主権、部品調達権、価格決定権、販売自主権、資金使用権等にが、程度の差はあるにしても、一応確保できるようになった。この分野では、いずれの企業においても日本式の生産管理方式が導入されてきたが、一方では、刺激給(出来高奨励金)を組合わせた賃金システム、現場管理手法などの導入も進んでいる。工作機械産業は、合併を通して経営力の強化をはかる傾向が潮流となっているが、ユーザーのニーズに適合する企画力をもつベンチャー企業の形成がむしろ課題と言える。
すべて その他
すべて 文献書誌 (7件)