研究課題
研究2年目は、2回の予備調査が行われ、日本側から本調査が開始された。2回の予備調査で日瑞両国の社会文化差が本研究にどの位影響を与えているかが検討され、調査方法と評価法の確認を行なった。調査は、インタビュー・マニュアル案を基に行なわれた。インタビュー内容は「質」的なものであるため、研究の目的を熟知した上で、記録・評点・評価がなされた。また、予備調査(日本側4名、スウェーデン側3名)では、客観的な評価法を見い出すために、録音による記録を行い、後日複数評価を行なった。対象者選択にあっては、コミュニケーションの可能な知的障害者とし、男女比を同数とした。また、居住形態側(自立生活のさまざまな形態)による対象者選択を行い、対象者の年齢の幅を一定(20歳〜50歳)とした。予備調査の結果、両国の社会文化差は福祉制度や知的障害者の生活環境にも大きな影響を与えており、対象者の外的生活状態や対人関係を直接比較することは困難なことが判明した。そのため、本調査では、「生活の質」とこれまでの及び現在の生活状態の結果(満足度や将来の夢なども含まれる)現われる内的心理状態と定義づけ、主たる評価の対象とすることにした。その際、カヤンディ式評価マニュアルが使われることになった。なお、本調査は、日本側が男女各50名計100名、スウェーデン側が男女各20名計40名を対象として実施される予定である。日本側は本年2月から、スウェーデン側は本年4月から面接調査に入ることになっている。
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