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1996 年度 実績報告書

精神遅滞者の「生活の質」に関する日瑞比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 06044213
研究機関四国学院大学

研究代表者

河東田 博  四国学院大学, 社会学部, 教授 (80258318)

研究分担者 INGEMAR Eman  イェテボリ大学, 教育学部, 教授
LARS Kebbon  ウプサラ大学, 精神障害研究所, 教授
MARTEN Soder  ウプサラ大学, 社会学部, 教授
宮田 康三  四国学院大学, 社会学部, 教授 (50181714)
中園 康夫  吉備国際大学, 社会福祉学部, 教授 (50082425)
キーワードノーマライゼーション / 知的障害 / 生活の質 / 日本 / スウェーデン / カヤンディ式評価マニュアル / 社会文化差 / 特別な支援
研究概要

研究最終年は、日瑞両国の本調査と結果の整理が行われた。本調査の有効対象者数は日本側男40名女39名計79名・スウェーデン側男女各15名計30名であった。
これまでの予備調査の結果から、両国の社会文化差は対象者の「生活の質」を構成する外的・内的側面に大きな影響を与えており、対象者の「生活の質」の評価結果を単純に比較することが困難なことが判明している。そのため、外的側面については記述方式で両国対象者の生活実態やその違いを記し、内的側面についてはマニュアルに基づく評価結果を算出した。出された結果は統計的に処理し、分析を行った。なお、日本側調査の結果は独自に「生活の質」の外的側面に関する評価結果を算出し、生活居住形態別等多様な分析を試みた。
調査の結果、「入所施設」のような本人の意思や主体性が生かしにくい生活居住状態では、「生活の質」の評価が全体的に低いという実態が明らかになった。これは、本人の障害や意思とはまったく関係のない生活環境の劣悪さや、支援体制の不備が内的側面に影響を与えているためと思われた。また、身近な存在である「親と同居」している対象者の「生活の質」が、予想していたほど高くはなかった。社会的支援体制の不備とも関係していると思われた。「グループホーム」居住者の「生活の質」は「自活」している人たちほどは高くなく、個々の生活主体者として尊重してほしいという要求を示していた。「自活」している人たちは、それなりの自由度や自己実現への歩みを示していたが、孤独を感じている人たちもいた。一方、「結婚している」人たちには「2人で支え合う関係」が安心感をもたらし、「生活の質」を高めていく上で欠かせない要素となっていることが分かった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 林弥生、河東田博 宮田康三,中園康夫: "知的障害者のQOLに関する研究-徳島県国府町・松茂町における面接調査を通して-" 日本社会福祉学会第44回全国大会研究報告概要集. 330-331 (1996)

  • [文献書誌] Kawano,K.,Sano,K.,Yamauchi,M.,Hayashi,Y.,Katoda,H.,Miyata,K.,and Nakazono,Y.: "A study on support for community living based on one's subjecthood -High quality of life and support for self- defermination" Comparative study on quality of life for persons with intellectual disabilities in Japan and Sweden/Finland. 28-36 (1996)

  • [文献書誌] 中園康夫,河東田博,宮田康三,山内美代,河野和代,林弥生,佐野和明: "知的障害者のQOLに関する日瑞比較研究" 1996国際セミナー 知的障害者の生活の質を考える. 4-28 (1996)

  • [文献書誌] 林弥生: "知的障害をもつ人たちのQuality of Life(QOL)に関する一考察" 1996年度四国学院大学修士論文. 1-61 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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