研究課題
本研究は技術の近代化に関する研究である。このうち、明瞭に我が国の工業技術の近代化の局面が現れる分野、建設産業と電機産業の近代化を日本及びアメリカ合衆国と比較検討し、国際的な観点から我が国の技術近代化の特徴を明瞭にすることを目的としている。平成6年度においては、この比較研究に当たって、基礎調査と比較研究の具体的な対象の決定、及び研究の枠組み(スキーム)の設定を行った。日本側からは米国の電気技術発達と建築技術発達の基礎調査を、現地で2度にわたり行い、同時に米国側研究者との研究打ち合わせを行った。米国側は日本における基礎調査を1度行い、また同時に日本側研究者との研究打ち合わせを我が国で行っている。本年度の成果として、日・米の文化的及び技術近代化過程の相違に関して資料調査及び両国研究者の詳細な検討を行った。この結果、比較対象の選定と比較研究の方法を確立する事が出来た。具体的に述べれば、建設技術においては「耐震構造技術」の発達の比較研究、電気技術においては「電灯及びエヤ-・コンディショニング」に関してその発達の比較研究を行うこととした。これらはいずれも、技術的な発達のみならず、その発達を促した社会的な背景と深く関わる分野である。次年度は、この具体的な比較検討作業を行い、研究結果を公表する予定である。
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