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1994 年度 実績報告書

性決定と分化の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 06044235
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

長濱 嘉孝  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (50113428)

研究分担者 PATINO Reyna  テキサステック大学, 動物学教室, 助教授
MORREY Craig  ハワイ大学海洋研究所, 研究員
GRAU E.Gordo  ハワイ大学海洋研究所, 教授
DONALDSON Ed  カナダ国立海洋研究所ブリティッシュコロンビア大学, 教授
CREWS David  テキサス大学オースチン校, 動物学教室, 教授
中村 將  帝京大学, 法学部, 助教授 (10101734)
小林 亨  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (30221972)
田中 実  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (80202175)
吉国 通庸  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (50210662)
キーワード性分化 / 性転換 / 性ステロイドホルモン / 魚類 / は虫類 / 11-ケトテストステロン / ステロイド代謝酵素遺伝子 / エストラジオール-17β
研究概要

本共同研究の初年度にあたる平成6年度は、日米の研究者が協力してハワイ産ベラ(Thalassoma duperrey)の性転換におけるステロイドホルモンの役割について解析した。我々のこれまでの研究から、T.duperreyの性転換期に生殖腺におけるステロイドホルモンの生合成系がエストラジオール-17βから11-ケトテストステロンに転換することが明らかにされている。本研究では、まずエストラジオール-17βと11-ケトテストステロンの生合成に関わる2種のステロイド代謝酵素(コレステロール側鎖切断酵素、SCC;3β-ステロイド水酸基脱水素酵素、3β-HSD)の抗体を作製し、これらを用いて性転換期におけるSCCと3β-HSDの変動を組織化学的に解析した。両酵素は性転換前の卵巣では莢膜細胞層に局在するが、卵母細胞の崩壊に伴って莢膜細胞は分離し、SCCと3β-HSD陽性細胞も細胞塊を形成する。次いで、これらの細胞は精子形成の開始に先立ち増殖して数を増し、ライディッヒ細胞となると考えられる。また、エストラジオール-17βの生成に必要な芳香化酵素、11-ケトテストステロンの生成に必要な11β-水酸化酵素のcDNAをベラの卵巣と精巣のcDNAライブラリーよりクローニングし、すでにそれらの一部塩基・アミノ酸配列を決定した。
さらに、硬骨魚ティラピアの性分化期における卵巣のステロイド合成系についても解析した。ティラピアの形態的性分化は孵化後23-25日で起こるが、この時期の生殖腺におけるステロイドホルモンの生成の可能性を上記SCCと3β-HSDの抗体を用いて調べた。その結果、性分化期の卵巣と精巣の体細胞でいずれもSCCと3β-HSDはすでに検出された。これまで性分化期の生殖腺でステロイド代謝酵素が細胞化学的に検出されたという報告はなく、この研究がはじめての例である。これらの結果から、ティラピアの生殖腺の性分化過程にステロイドホルモンが重要な役割を果たすことが強く示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S.Fukada,M.Tanaka,M.Iwaya,M.Nakajima and Y.Nagahama: "The sox gene family and its expression during embryogenesis in the teleost fish medaka(Oryzias latipes)" Development,Growth and Differentiation. (in press). (1995)

  • [文献書誌] M.Tanaka,S.Fukada,M.Matsutama and Y.Nagahama: "Structure and bromoter analysis of the cytochrome P-450 aromatase gene of the teleost fish,medaka (Oryzias latipes)" J.of Biochemistry. (in press). (1995)

  • [文献書誌] C.Morrey,M.Nakamura,T.Kobayashi,Y.Nagahama and E.G.Grau: "Immunolocalization of steroidogenic cells throughout gonadal restrucring in the protogynous hermaphrodite T.duperrey" Development. (submit).

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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