研究課題
マサチューセッツ大学からFabos教授を招聘し、さらに日本側から3名がマサチューセッツ大学においてMETLAND手法におけるランドスケープアセスメント手法を調査し、我が国への適用性について検討した。その結果、評価に際しては土地利用に対する社会的背景を十分配慮する必要があるが、土地資源の特性や歴史性等から北海道では考え方の多くの部分では適用可能であると考察された。また、ランドスケープ評価におけるコンピュータ利用の必要性が認識され、より汎用性の高いシステムの構築が不可欠であり、パーソナル・コンピュータ等を利用したシスフムの開発も必要と考えられる。また、日米における農林地に関して、主として札幌都市圏及びマサチューセッツ州、ボストン大都市圏について既存統計資料をもとにその変遷に関する調査を行うとともに、保全政策についても調査した。その結果、日米の農林地を巡る環境の類似性と相違を明らかにし、農林地の変遷に大きく関与する都市化のパターンの相違も明確になった。しかし米国では州による相違も大きくその検討は今後の課題である。さらに、より具体的な評価手法の比較のためMETLANDにおける手法に準じて、土地の適合性評価に関する調査を札幌圏で行った。その結果、都市域の拡大に伴う土地利用の複合化に対応して、異なる土地利用が隣接する場合の適合性を明らかにした。また、米国におけるMETLANDでの調査結果と比較すると、一部の土地利用の種類においては相違がみられたものの、大まかな傾向は一致した。これより、同評価手法の我が国への適用が可能であることが示された。