19世紀中葉以前における日中文化交流史の総合的研究

1994 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 06045003
• 研究機関: 山形大学
• 研究代表者: 横山 昭男 山形大学, 教育学部, 教授 (70007152)
• 研究分担者: 李 筱平 吉林師範大学, 外国語教育学系, 講師 ; 田 毅鵬 吉林師範大学, 歴史学系, 講師 ; 鄭 毅 吉林師範大学, 歴史学系, 講師 ; 王 崇実 吉林師範大学, 歴史学系, 教授 ; 張 雲樵 吉林師範大学, 歴史学系, 教授 ; ちゃう 書仁 吉林師範大学, 歴史学系, 副教授 ; 伊藤 清郎 山形大学, 教育学部, 助教授 (70113925) ; 阿子島 功 山形大学, 教育学部, 助教授 (00035338) ; 平田 俊博 山形大学, 教育学部, 助教授 (60113974) ; 石島 庸男 山形大学, 教育学部, 教授 (90007154) ; 高橋 稔 山形大学, 教育学部, 教授 (10014846)
• キーワード: 鎖国と漂流民 / 宗教交流 / 倭し / 語り物・伝説 / 中日朝三国貿易 / 霊魂

研究概要

日中双方の共同研究者の相互訪問と調査を中心として、研究課題にかかわる調査・研究を進め、意見交換と共同討議を行い、個別テーマによる基礎研究を進めた。3年計画の初年度に当る今年度は、1つは文献資料の収集と研究方法についての討議を多くし、2つには共同研究者個別の中間的・基礎的な発表を行うこととした。以下は、講演・雑誌発表などの要約である。
1.'94年9月、日本から横山・伊藤が吉林師範学院を訪問し、横山は、日本の鎖国と漂流民について、伊藤は、日本中国における日中宗教宗教交流について講演した。講演の中のいくつかの問題について、吉林師範学院の共同研究者との間で討議した。また中国側の研究関心などもだし合い、今後の研究方法についての意見交換も有意義であった。なお講演内容は、吉林師範学院の紀要に発表の予定である。
2.'94年12月、中国からちゃう,鄭両氏が山形大学を訪問し、文献調査、講演、研究討議を行った。ちゃう氏は、15〜16世紀の日本の倭しに関するいくつかの問題をとりあげ、鄭氏は、清代の中日朝の三国間貿易について、これまでの持論、討論を発表した。その内容は、今年度紀要に発表しているが、その中には、日本側の研究にはなかった視点もみられ、今後大いに議論に値する問題が含まれているので、これからの討議が期待される。
3.高橋は、個別テーマに沿って、中国山東省や北京郊外を旅行し、語り物、伝説の所在を確かめ、その調査研究の成果の一部を学界誌等に発表した。平田は、学術語の比較史的研究の立場から、ココロとオモイ(霊魂)について、とくに原日本語の特質を指摘した。また阿子島は、外モンコルの地形・地質・古墳について、紀行文で発表紹介し、今後の研究の布石を重ねている。

研究成果

• [文献書誌] 高橋 稔: "仏教が古代中国で説いた冥界" 別冊歴史読本(特別増刊). 67. 180-189 (1994)
• [文献書誌] 高橋 稔: "魯迅『随感録」 -異文化下に見出だしたものの見方と著し方-" 国文学解釈と鑑賞. 5月号. (1995)
• [文献書誌] 平田俊博: "ココロとオモイ -霊魂の比較思想-" 比較思想研究. 21. 147-150 (1995)
• [文献書誌] 阿子島 功: "外モンゴルの地形・地質・古墳紀行" 山形応用地質. 14. 1-17 (1994)
• [文献書誌] ちゃう 書仁: "19世紀中葉以前における中日関係史研究の総論について" 吉林師範学院 学報. (1994)
• [文献書誌] ちゃう 書仁: "喜靖年間の「倭し」に関するいくつかの問題" 吉林師範学院歴史系 紀要. 1-4 (1994)
• [文献書誌] 鄭 毅: "清朝中葉期における日中朝三国間の貿易関係試論" 吉林師範学院歴史系 紀要. 5-9 (1994)
• [文献書誌] 横山昭男: "日本の鎖国と漂流民" 吉林師範学院歴史系 紀要. [掲載予定]. (1995)
• [文献書誌] 伊藤清郎: "日本海沿岸における宗教交流" 吉林師範学院歴史系 紀要. [掲載予定]. (1995)