研究分担者 |
VERLINDE Eri 欧州原子核研究機構, 教授
ALVAREZーGOUM ゴーメ ルイス 欧州原子核研究機構, 教授
VENEZIANO Go 欧州原子核研究機構, 教授
ELLIS John 欧州原子核研究機構, 教授
加藤 光裕 東京大学, 教養学部, 助教授 (80185876)
筒井 泉 東京大学, 原子核研究所, 助教授 (10262106)
小川 格 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90194430)
山田 篤志 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10251399)
磯 暁 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20242092)
江口 徹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20151970)
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研究概要 |
今年度の研究実績は以下の通りである。 (1)素粒子の現象論研究,特に超対称性理論の研究 山田はCERNのZwirner,John Ellisたちと協力して最近のLEPの実験結果などを検討し超対称性理論の実験的検証を進めた。新たな知見として,LEPの実験結果から超対称性理論であらわれてくる粒子の質量の制限がつけられたことがあげられる。また同時に標準模型であらわれる小林益川-質量行列についての制限もつけられることがわかった。またJ.EllisやF.Zwirner等と超弦理論から導かれるE(6)群に基づいた低エネルギー超対称模型について詳しく議論した。この議論はその後の研究に大いに役立ち、山田は、M.Dress(Wisconsin大)とともにこの模型について研究し論文にまとめた。 (2)超対称性場の理論の非摂動論的効果の研究 ここ1-2年の間に超対称性理論の研究におおきな発展があった。超対称性があると場の理論の構造に制約がついて、超対称性が無い場合に較べて多くの非摂動論的効果が解明できる。磯はCERNのVenezianoたちと議論をして超対称性理論のdualityと呼ばれる性質について研究を進めている。新たな知見としてN=1の超対称性理論の真空の構造が深まった。また理論に分数電荷があらわれることが指摘されているが、実際にsoliton解としてこのような粒子が出る可能性のあることがわかった。この研究は近いうちに論文として出版される予定である。またN=2の超対称性を持つ理論についても、Schwinger-Dyson方程式と呼ばれる場の理論を非摂動的に取り扱う手法によって理解できることがわかってきた。さらに江口は、prepotentialとよばれる理論の低エネルギー的振る舞いを記述するポテンシャルに対してある微分方程式が満たされることを発見した。 (3)場の理論のtopologicalな性質 藤川は光の位相演算子の満たす性質について場の理論でよく使われるindex定理を使って議論した。今まで多くの人が位相演算子と個数演算子がともにエルミート演算子として定義できるのかどうかを議論してきたがはっきりした答を得ることができなかった。藤川は電子メール等でCERNのLercheたちを議論をし、インデックス定理でこの謎が解けることを解明した。 筒井は場の理論にあらわれるゲージ場の起源を、場の理論のもっているtopologicalな性質に結び付けて理解できることを議論した。CERNのAlvarez-Gaumeたちとも議論をし、近いうちに論文にまとめる予定でいる。
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