研究課題/領域番号 |
06045010
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
石川 雅章 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (40114730)
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研究分担者 |
王 歓 北京医科大学, 口腔医学院, 講師
でん 輝 北京医科大学, 口腔医学院, 教授
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キーワード | モンゴロイド / 双生児 / 歯列模型 / 頭部X線規格写真 / パノラマX線写真 / 顎・顔面頭蓋 / 遺伝力 / 小児生活習慣 |
研究概要 |
平成7年度では9月と12月に計約90組の双生児資料採取を行ったが、平成8年度は、ほとんどの双生児について1年後の調査を継続することができた。また今年度は、中国人小児の生活習慣や食習慣の調査を平成6年度に続いて、中国のなかでも最も発展の著しい上海にて行った。9月中旬、日本側研究者3名が北京への往路上海に立ち寄り、上海第2医科大学口腔医学附属幼稚園などにて小児の環境調査を行った。調査対象が大学に勤務する教職員の子弟であり、両親の職域を特定しなかった他地域に比べ、生活環境や食習慣がより規律的であるとの印象を受けた。 双生児資料採取は前年度に引き続き、身長体重測定。口腔内診査、側貌および正貌頭部X線規格写真撮影、パノラマX線写真撮影、印象採取を行った。中国側に調査委託した12月分の双生児資料を加え、まず側貌頭部X線規格写真の分析を中心に研究を進めている。写真上に日本人小児の頭部X線規格写真基準値と同様の計測点、計測項目を設定し、当教室の自動解析システムにて入力分析した。各双生児組の一人を用いた半縦断的な角度的および量的計測結果を、上記基準値と年齢幅が近似するように分類し、日本人小児の成長発育様式と比較検討した。さらに双生児法により、各計測項目とその年間変化量などについて遺伝力を算出した。 角度的分析から混合歯列期中国人双生児の顎顔面頭蓋概形は、日本人小児と近似していたが、前脳頭蓋底に対する上下顎歯槽骨前方限界は僅かに近心位にあり、上下顎歯軸傾斜はやや小さかった。また、混合歯列前期では下顎角は有意に小さかった。量的計測項目は全体的に中国人双生児の方が小さめであり、その遺伝力は前脳頭蓋底で70%弱、鼻上顎複合体と下顎骨は70〜80%台であった。下顎骨のなかでは、下顎骨長が前後顔面高よりも遺伝的要因の占める割合が高くなると推定された。
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