研究課題
中国側研究者は中央水産研究所・水産工学研究所・漁業機械メーカー等を訪問し、実地見聞を広めヒアリングを試みた。日本の進んだ研究体制・研究設備に接し、得るところが大きかったようである。しかし短い日程のため、日本漁業の実態にはあまり触れる余裕がなかった。この点は次年度以降の課題として残されている。日本からは青島海洋大学・黄海水産研究所等を訪問し、実態調査を試みた。また中国農漁業部水産局(北京)において水産行政・政策についてヒアリングを行った。しかし両者ともに短時間の調査・意見交換にとどまり、実態認識を充分に深めるには至らなかった。人口が多く過剰就業が支配している中国においては、漁業は成長部門であり、雇用人口の吸収先となっているようである。漁業部門に進出しようとする圧力が相当高く、カツオ・マグロなどの遠洋漁業もその対象となっているのではないかと思われる。水揚港に行き漁網を見る機会があったが、網目が非常に小さく、雑魚=多種多様な魚種を根こそぎ漁獲しているのではないかという印象をもった。養殖業については収穫=出荷時期が終わり、どういう餌料を使っているかを確かめるに至らなかった。この雑魚がどのように利用されまた流通しているのか、養殖魚のエサにまわっているのではないか、水産資源の維持・確保の点からも追跡する必要があろう。15EA04:漁業管理は漁業の実態から出発しなければならないが、日中両国のおかれている条件をよくつき合わせていくことが何よりも重要であろう。この見地から、実態調査を深めていきたい。
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