研究分担者 |
萬 栄 青島海洋大学, 水産学院, 講師
劉 群 青島海洋大学, 水産学院, 助教授
陳 大剛 青島海洋大学, 水産学院, 教授
侯 恩淮 青島海洋大学, 水産学院, 教授
高 清廉 青島海洋大学, 水産学院, 教授
東海 正 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (30237044)
兼広 春之 東京水産大学, 水産学部, 教授 (80134857)
佐藤 要 東京水産大学, 水産学部, 教授 (20017073)
小野 征一郎 東京水産大学, 水産学部, 教授 (40017075)
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研究概要 |
1.世界でも有数の漁場である東海・黄海は,日本・中国・韓国・北朝鮮などが国際漁場として利用してきたが,現在の資源状況から,国際的な資源管理組織を築くことが緊急の課題である。 そのためには,この海域の主要国である日本と中国が相互の漁業管理の実態を認識し,情報交換・技術交流を進めることが不可欠である。今回の青島海洋大学大学において開催された共同セミナーにおいて,日中両国から貴重な情報が提供された。現在日中で使用された魚種名は同じ漢字国で似た魚名が使われているが,必ずしも同一ではない。同名異種,異名同種のものも沢山ある。この点を陳教授は多くの資料をもとに,魚種約4500種について,日本標準和名,中国語名,学名について,162頁にまとめた。 2.資本主義体制下の日本と,開放政策が進展中とは言え,社会主義体制下の中国では,漁業管理の方式が異なるが,研究交流が乏しく,漁業管理に必要な情報が蓄積されていない。しかし,中国では1995年よりタチウオの幼魚を保護するため,7〜8月の2ヵ月間底曵網漁業及び張網漁業を禁漁にすること,また定置網(張網)も地域により異なるが,6月〜9月のうち2ヶ月間を禁漁にすることを決定しているとのことである。制度が異なるが,開放政策により一気に増大した大衆漁業によるタチウオ資源への影響を懸念した緊急な政策決定はむしろ日本よりはるかに迅速である。 3.漁船船型により曵網性能、操縦性能が左右され,漁業形態は漁具・漁網資材の相違に関連する。最近は,日中の間に漁船の売買等で,多少の技術交流はあるが,全体的には非常に少ない。今回のセミナーでは,両国から漁船性能、漁具、漁網資材を出し合って比較対比することができた。 4.高鮮度=生食に価値をおく日本と,必ず火を通す中国では,水産物の消費形態に相違がある。また中国は水産業を輸出産業として位置づけ,日本市場を目指している。この消費・市場動向は日中両国の漁業生産技術・操業形態,さらには漁業管理に大きな影響を与える。
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