研究課題/領域番号 |
06045014
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
荻原 洋太郎 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (50017357)
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研究分担者 |
MORGAN Keith 電気通信大学電気通信学部, 教授 (70251717)
VLACIC Ljubi オーストラリアグリフィス大学マイクロエレクトロニクス学科, 講師
鈴木 淳 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (30249742)
松井 正之 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (00034413)
KEITH J.Morgan The University of Electro-Communications
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研究期間 (年度) |
1994
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キーワード | 多評価基準モデル / 非技術的評価項目 / コンピュータ統合システム / システムの有効性 |
研究概要 |
本研究は、近年、先進企業で積極的に行われているコンピュータを用いた統合生産方式(Computer Integrated Manufacturing:CIM)の評価に関するものである。 CIMの要請は、大別して、(1)技術的要件、(2)経済的要件、および、(3)人間的要件に分けることができる。(1)は、近年の製品が益々複雑化、高精密化した結果、生産を人間の熟練に委ねることが困難になったことによるものである。この点に関しては、我々が研究期間中に見学した、岡山にあるM社のビデオム-ビ-工場では、組立条件として、1/1000ミリの精度が要求されており、これを従来の人手による流れ作業で行うことは不可能である。 また、(2)の経済的要件については、最近の円高の中で、いかに低コストを実現するかを考えた時、CIM方式が最適であると言う判断になることは、当然の帰着である。 また、(3)の人間的要件については、(1)との関連で、より人間的な労働条件、即ち、職務設計で言う「労働生活の質」(Quality of Working Life)を実現するために、本来は、最初に検討されなければならない課題であると言うことができる。 本研究では、上述の基本事項を念頭におき、今後の物的生産システムが益々コンピュータによる統合化の方向に向かうであろうと予想し、このシステムの導入時、また、導入後の評価をどのような観点から行うべきか、その方法論を検討した。特に、本研究では、CIMの非技術的側面の評価モデルの構築と、その検証を中心に行った。 非技術的評価項目としては、経済的効果(Economic impact)、経営戦略的効果(Strategic impact)、社会的効果(Social impact)、運用効果(Operational impact)、組織効果(Organizational Impact)の5つのカテゴリー(Main-Criteria)に分類し、それぞれをさらに、23の小項目(Sub-Criteria)に細分した。たとえば、2つ目の経営戦略的効果は、これを、顧客満足(Customer Satisfaction)、リ-ドタイム短縮(Reduced Lead Time)、製品品質の改善(Improved Quality of Products)、市場占有率の拡大(Larger Portion of Market Share)のごとくに細分した。従来の研究では、各評価基準要素に定義が不明確であったので、本研究では、この点を検討するのに多くの時間を用いた。 また、最終的に、上述の評価基準を含む多評価基準モデルを構築し、これを用いて、実際の企業に当てはめて見た。なお、数学的モデルの例を下記に示す。 のモデルは、リザベイション・レベル(reservation level)を用いたオーダー・コンシステント・アチ-ブメント関数(order-consistent achievement function)にもとづく方法を採用した。即ち、一次元アチ-ブメント・コンポネントは次のように定義される。 ここで、y_iは各要素の評価、y,y_iはそれぞれリザベイション・レベル、アスピレーション・レベルを示している。そして、オーダー・コンシステント・アチ-ブメント関数は ここで、y:評価ベクトル、y^^-':リザベイション・レベルのベクトル、y^^-'':アスピレーション・レベルのベクトル、U(y,y^^-',y^^-''):オーダーコンシステント・アチ-ブメント関数、c:荷重係数(0<C<P)である。
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