研究分担者 |
B.M James Univ. of Sydney, School of Physics, Senior Lec
G.F Brand Univ. of Sydney, School of Physics, Senior Lec
R.C Cross Univ. of Sydney, School of Physics, Assoc. Prof
小川 勇 福井大学, 工学部, 助教授 (90214014)
立川 敏明 福井大学, 工学部, 助教授 (00020206)
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研究概要 |
1)1テラヘルツまで周波数可変のジャイロトロンの開発研究 福井大学の12T超伝導マグネット装置を用いたRemoutableジャイロトロン装置(GYROTRON FU III)を用いて,3次高調波動作を行い,150GHzから352GHzまで周波数可変のジャイロトロンを開発した。出力110W,パルス幅600msecの長パルス動作を実現した。また,17T超伝導マグネット装置を用いたジャイロトロン装置(GYROTRON FU IV)を設計製作し,850GHzまでの高周波化を達成した。この周波数は,ジャイロトロンの高周波動作の世界記録を更新するものであり,分子レーザーの周波数領域にせまるものとして,意義がある。 また,シドニー大学では,12T超伝導マグネット装置を用いたジャイロトロン装置(GYROTRON V)により,周波数615GHzまで可変の小出力・CW動作を実現した。 2)ジャイロトロンの振幅変調及び周波数切り替えの研究 ジャイロトロンをプラズマ計測及び物性研究のための光源として応用する立場からジャイロトロンの振幅変調及び周波数変調が重要である。福井大学のGYROTRON FU IIIを用いて,ジャイロトロンの陽極電圧を変調することにより,出力の振幅変調を行った。変調周波数0.5〜500kHzの広領域にわたり,変調率100%を達成した。また,陰極電圧を矩形波変調することにより,相対論効果による電子の質量変化に基づく周波数切り替えの研究を行い,二つの基本波モード間の周波数切り替えと基本波モード-2次高調波モード間の周波数切り替えに成功した。これらの研究は,ジャイロトロンの初の出力変調実験として注目されている。 3)ジャイロトロンを光源とするプラズマのサブミリ波散乱計測 シドニー大学では,TORTUS トカマクのミリ波散乱計測を引き続き行い,プラズマ加熱時のアルフェン波を検出し,この波の伝播経路を実験的に決定し,理論的考察とのよい一致を得た。福井大学では,開発したサブミリ波ジャイロトロン(8T超伝導マグネットを用いたGYROTRON FU II)を核融合科学研究所に設置して,同研究所のCHS装置の散乱計測を引き続き行った。ドリフト波の測定結果とプラズマ閉じ込め効率の比較検討を行い,閉じ込め効率の向上のための資料を提供した。
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