研究分担者 |
NOOR Hayati マレーシア大学, 医学部, 講師
CHANDRA Shek マレーシア大学, 医学部, 助教授
PAKEER Oothu マレーシア大学, 医学部, 教授
記野 秀人 浜松医科大学, 医学部, 助手 (70115476)
石井 明 浜松医科大学, 医学部, 助手 (50107801)
寺田 護 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (30046297)
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研究概要 |
ベトナムは,都市農村を問わず,生活環境が悪い。そのため社会病ともいわれている寄生虫は農厚に分布している。今年度は,ハノイ近郊農村における鉤虫の流行状況と虫の種類の同定を試みた。 すなわち,鉤虫保有者は15〜30%で,消化器障害を持つもののなかに,鉤中を保有しているものがみられた。培養法による幼虫の種類の鑑別であるが,幸い性質のよいアメリカ鉤中であることが判明した。しかし,地域によって差があるので,この種の調査は全国規模で行われることが申し合わされた。 もうの一つの課題は,北ベトナム農山村に分布する肺吸虫の調査である。これは食品蛋白の乏しい山村では,川蟹に依存する度合いが強い。調査のすえ,蟹を食べて感染する肺吸虫感染者の多いことが判明した。また,幼虫数であるが,1匹当たりのカニで100個以上保有していたものもみとめられた。 幸い有効なる駆虫薬,プラジカンテルがあるために,服用による治療と撲滅作業は容易であった。 マレーシア大学では,山岳住民(アボリジニ-)を対象に寄生虫走査を,クアラルンプール市内病院等に集まった材料で調べた。その結果寄生虫(回虫,鉤虫,鞭虫)保有者は6〜11%で,憂うるにはいたらなかった。 今後の課題としては,印度支那3国およびマレーシア山岳部における寄生虫の実態と予防撲滅事業を推進することと,ベトナム等への技術および薬剤・器材の供与は,クアラルンプールを経て行うことが了承された。
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