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1995 年度 実績報告書

多成分多相系高分子複合系のモルホロジーと気体選択透過性に関する協力研究

研究課題

研究課題/領域番号 06045018
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

辻田 義治  名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70016591)

研究分担者 BRISCOE B.  Imperical College, Dept. of Chemical Engi, 教授
吉水 広明  名古屋工業大学, 工学部, 助手 (10240350)
木下 隆利  名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60135407)
HIGGINS J S  Imperical College, Dept. of Chemical Engi, 教授
キーワードポリマーブレンド / ポリメタクリル酸メチル(PMMA) / スチレン-アクリロニトリル共重合体(SAN) / 固体NMR / T_<1ρ>^H(緩和時間) / ^<13>C NMMR / 共重合体シーケンス / 光散乱
研究概要

ポリメタクリル酸メチル(PMMA)は、ポリスチレン(PS)やポリアクリロニトリル(PAN)とは相溶しないが、PSとPANの共重合体(SAN)とは限られた共重合体組成で相溶することが光散乱法などにより知られている。しかしこれらのガラス転移温度は互いに接近しているため、DSC等による相溶性の検討は困難である。そこで、ブレンドの相溶性を判断するのに非常に有用な固体NMR法を用いた。SANにはAN含有量が9.4mol%から56.7mol%のものを用い、1,2-ジオキサンを共通溶媒としてPMMAと混合しガラス上にキャストして測定に供した。50:50ブレンドについてプロトンの回転座標系におけるスピン-格子緩和時間(T_<1ρ>^H)を測定したところ、AN含有量が17.9mol%から39.5mol%のものではPMMAとSANのそれはほぼ一致し、T_<1ρ>^Hのスケールにいおいて相溶していることが明らかとなった。SANの溶液^<13>C NMMRスペクトルを解析した結果、交互共重合性の高いことが判明し、二つのANに挟まれたスチレン連鎖が3から5個のときにのみPMMAと相溶することがわかり、相溶化の因子としてSANの組成に加えそのシーケンスが重要といえた。また、一旦相溶させた試料を加熱することにより相分離過程をT_<1ρ>^Hから評価したところ、光散乱の結果と同様なLCST型相図が得られた。今後は水素結合などの強い相互作用の考えられないこの系で局所コンホメーションの有無や各種NMR緩和パラメータの測定などを通じ、相溶化の因子を特定していく予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S. Kato,Y. Tsujita,H. Yoshimizu,T. Kinoshita,J. S. Higgins: "Characterization and CO_2 sorption behavior of polystylene/polycarbonate blend system" Polymer. 37. (1996)

  • [文献書誌] 加藤俊介,吉水広明,辻田義治,木下隆利: "PS/PCブレンド膜のCO_2収着特性" 高分子学会予稿集. 44. 794-794 (1995)

  • [文献書誌] 加藤俊介,吉水広明,辻田義治,木下隆利: "固体高分解能NMRによるポリメタクリル酸メチル/スチレン-アクリロニトリル共重合体ブレンド膜の相溶性に対する共重合体組成の影響の検討" 繊維学会予稿集. 1995(F). ┣D1F┫D1106-┣D1F┫D1106 (1995)

  • [文献書誌] 加藤俊介,吉水広明,辻田義治,木下隆利: "ポリメタクリル酸メチル/スチレン-アクリロニトリル共重合体ブレンド系の相溶性と共重合体コモノマーシーケンスの相関" 高分子学会予稿集. 45. (1996)

  • [文献書誌] 岡戸芳男,吉水広明,辻田義治,木下隆利: "ポリイミド/ポリイミドブレンド膜の相溶性の違いによる気体透過性への影響" 高分子学会予稿集. 45. (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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