研究課題/領域番号 |
06045019
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
安藤 勝彦 三重大学, 医学部, 助教授 (90024710)
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研究分担者 |
RAIKHEL Alex ミシガン州立大学, 昆虫学科, 教授
鎮西 康雄 三重大学, 医学部, 教授 (60024709)
RAIKHEL Alexander S Michigan State University
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | Plasmodium berghei / スポロゾイド / 蚊 / 唾液腺 |
研究概要 |
ネズミマラリアP.bergheiとハマダラカAn.stephensiをモデル動物にして、マラリア原虫がなぜハマダラカの唾液腺に集積するのかを解明すると共に、それによってワクチンを開発するための基礎研究を行い以下の実験結果を得た。 1.ネズミマラリアP.bergheiの生活環は蚊An.stephensiを介して維持し、実験に供する実験系を確立した。 2.感染蚊の電子顕微鏡観察により次のような知見が得られた。 (1)蚊の中腸内で、有性生殖の結果形成されたマラリアのオ-キネートは蚊中腸細胞間隙を侵入して24時間後には中腸のbasel laminaに到達していた。 (2)感染48時間後、オ-キネートは動きを止めて丸くなり、ほぼオーシストの形態を示していた。 (3)感染8日後にはオーシストの内部に多数の核が見られ、スポロゾイト形成のための核分裂がはじまっていた。 (4)感染14日後には成熟オーシストになり、その内部には出芽方式によって形成されたスポロゾイトが菊花状に配列していた。このスポロゾイトは体長15.6μmで内部にはミクロネマが存在していた。 (5)オーシストを飛び出して蚊の唾液腺内に侵入したスポロゾイトは、唾液腺の中葉及び外葉に進入していたが外葉の遠位部に最も多く分布していた。 3.蚊の中腸壁で形成されたオーシスト内部のスポロゾイトが、唾液腺への侵入をELISAで確認できる系をつくり、各臓器へのスポロゾイトの集積状況を調べたところ、唾液腺のみに集積することが判明した。さらにこの点は走査電顕によっても確認された。 4.蚊への感染16-18日後に蚊内部にキャピラリーでオスミユ-ムを注入して固定し、その後、唾液腺を取り出して走査電顕で観察したところ、唾液腺の表面に多数のスポロゾイトが存在し、その中には唾液腺に侵入途中のスポロゾイトも観察された。また侵入した跡と見られる孔も多数観察された。その後のスポロゾイトの形態観察により、前部が唾液腺に侵入し、後部が外部にでていることが確実になり、初めて侵入途中の像をとらえることに成功した。 5.An.stephensiの唾液腺抽出液をマウスに3回注射し、抗体価の上昇を確認した上で脾臓をとり、ミエローマ細胞と融合してハイブリドーマを作製した。そしてそれらの中から、An.stephensiの唾液腺を用いた蛍光抗体法により、唾液腺表面と特異的に反応する抗体を作るクローンを選抜した。この選抜を3回繰り返し、結局2個の単クローン抗体産生細胞をつくることができた。 6.An.stephensiの唾液腺約900個をすりつぶした後、AGPC法によりRNAを抽出し、oligotexを用いてpolyA(+)RNAとし、cDNA合成キットを使用しcDNAを合成した。これにリンカーを付加しλgt11ファージヘライゲイションし、cDNAライブラリーを作製した。 7.蚊An.stephensiの唾液腺膜に特異的に反応する単クローン抗体により唾液腺cDNAライブラリーをスクリーニングし、唾液腺の膜構成タンパクcDNAと考えられる4個のクローンを得た。これら4個のクローンのDNAのインサートのサイズを電気泳動により調べたところ、Mp-1が1450bp、Mp-2が360、Mp-5が220bp、Mp-11が790bpであった。これらを制限酵素処理した結果ではMp-2とMp-11は同じパターンを示したが、部分的にシークエンスしたところ異なるクローンであることが判明した。さらに、制限酵素によるマッピングではMp-1、Mp-5はそれぞれ異なるクローンであることがわかった。 8.4個のクローンについては全長cDNAクローンをとるため、得られたクローンの5端の一部をプローブとし、cDNAライブラリーを用いてRACE法を行ない、それぞれより長いクローンを得た。これらが全長かどうかを検討し、同じ方法を繰り返すことにより、ほぼ全長と考えられる4個のクローンを得た。 9.4個の全長cDNAクローンのサイズの決定、塩基配列の解析、これらクローンの一部をプローブとして唾液腺その他の組織RNAを用いたノーザン解析等を現在実施中である。
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