研究分担者 |
WILLIAM P.Du ウィスコンシン大学, オークレア校・教育学部, 教授
森廣 浩一郎 兵庫教育大学, 学校教育研究センター, 助手 (40263412)
洪 吉錫 大邱教育大学校, 名誉教授
JAMES H.Hogg ヴァンダービルト大学, ピーボディ教育学部, 教授
金 徳萬 ソウル教育大学校, 名誉教授
寺岡 敏郎 兵庫教育大学, 学校教育学部(附属小学校長), 教授 (80125137)
細谷 安彦 兵庫教育大学, 学校教育学部(附属中学校長), 教授 (20108913)
辻 弘 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (50040910)
長澤 憲保 兵庫教育大学, 学校教育研究センター, 講師 (60228004)
古川 雅文 兵庫教育大学, 学校教育研究センター, 助教授 (80153518)
長瀬 久明 兵庫教育大学, 学校教育研究センター, 助教授 (10127269)
渡邊 裕子 兵庫教育大学, 学校教育研究センター, 助教授 (10210957)
長石 敦 兵庫教育大学, 学校教育研究センター, 教授 (20125256)
岡崎 義富 兵庫教育大学, 学校教育研究センター, 教授 (50017480)
KIM Duk-man Seoul National University of Education
HOGGE James h. Peabody College of Vanderbilt University
DUNLAP William p. University of Wisconsin-Eau Claire
HONG Gil-suk Taegu National University of Education
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研究概要 |
1.平成6年度の研究課題 先行研究「グローバル教育に関する教育内容及び教材開発の国際比較研究」(平成5年度)において得られた知見から,異なる環境で生活する児童生徒が相互にもつ生活実態の具体的なイメージについての疑問を解消することを第一歩とし,そこでこの問題解決のために,児童生徒の生活実態の映像情報の交換が有効であると考え,この交換を通じて授業を実践することを企画した。本年度は,それに対する生徒の反応観察を主軸とし,さらに即時的に生徒生徒同士に意見交換ができるようなネットワーク通信網の利用も計画したが,これについては,予備的研究ととどめることとした。映像資料として作成したのは,小学校5年生(G5),中学校2年生(G8)を中心とする学校紹介及び学級紹介のビデオテープである。 2.調査場所および対象 設定した調査フィールドは,日本:兵庫教育大学附属小学校(J1),同中学校(J2),韓国:ソウル教育大学高附属国民学校(K1),大邱 聖明女子中学校(K2),米国:ウイスコンシン州 ノースウッズ小学校(オ-クレア)(U1),テネシー州 マウント・ジュリエット小学校(U2),サウスサイド小・中学校(U3),ワシントン州ヴァレ-ビユ-小学校(U4)であった。 3.調査方法. 調査の手段として,兵庫教育大学附属中学校(J2)の紹介ビデオテープをテネシー州マウント・ジュリエット小学校(U2),サウスサイド小(中)学校(U3)に送付,それに対する生徒の反応調査と,同校におけるビデオテープの作成を依頼した。反応については,生徒の個別の手紙による回答とビデオテープの送付を得た。 これに次いで,兵教大附小(J1)の学級活動を中心とするビデオテープを作成するとともに兵教大附中(J2)のビデオテープの増補改訂版を作成した。これらのビデオテープを韓国,米国の各フィールドにおいて,兵庫の分担者が参加して提示し,生徒の反応観察,および提示したビデオテープの内容に対する生徒の質問,意見,生徒間コミュニケーションの希望の有無についてアンケート調査を行った。同様に,兵教大で行った全体会議の期間において,韓国及び米国(K1,U1)で作成されたビデオテープを兵教大附小5年生(J1)全学級で,またU2およびK2のビデオテープを兵教大附中(J2)で提示し,同様のアンケート調査を行った。 4.調査結果 生徒は,それぞれ大きな反応を示した。第一に,総じて,生活習慣がお互いに明確に異なる点に興味を示した.例えば,学校生活における違いに注目し,強い興味を示した。日本の生徒は,アメリカの学校における,バス通学,昼食時のカフェテリヤ方式,クラスの人数,個別の学習方式,コンピュータ利用,特に数学との関連,スポーツなどについての質問が目立つ。米国の生徒は,日本の生徒が行う教室やトイレットの掃除について,なぜしなければならないかを問い,また,宿題があるかどうか,などの質問が多かった。また,制服のある韓国の学校の生徒は,日本の学校の生徒に服装について,ユニホームがないのか,それを気候との関連で質問している。 また,共通していえることは,学校が好きかどうか,学校は面白いかどうか,授業時間数に対する質問も多く見受けられた。これ以外に検討すべきユニークな質問が多数あり,今後の分析の課題である。ほとんどの生徒が,言葉の壁をもちながらもお互いに,コミュニケーションを強く望んでいることも明らかとなった。 コンピュータネットワークを利用した相互通信に関しては,兵庫教育大学および韓国ソウル教育大学校,大邱教育大学校において現在ネットワークの整備中であることから,本年度は,研究者間の研究連絡に実験的に使用するにとどまった。ビデオテープに加えて,こうした情報機器をどう活用すると効果的であるかの検討が今後の課題のひとつである。
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