研究課題
(1)神経変性疾患におけるサイクリン依存性リン酸化酵素5(Cdk5)及びそのアクティベータ-であるp35に関する研究はヒトのアルツハイマー病及びパーキンソン病の剖検脳を用い行った。Cdk5/p35はアルツハイマー病の脳において高い発現がパーキンソン病脳ではその量は低かった。このデータはCdk5/p35のWestern blot解析及び活性測定の両方から確認された。Cdk5/p35に関する研究は、カルガリ大学医学部の共同研究者との打ち合わせのもとに行っている。Cdk5のトランスジェニックマウスを作成しようとする試みがDr.Wang及び本学第1生理学の両方でスタートした。この打ち合わせのために、入野及び細川が渡加した。(2)カルモジュリン依存性キナーゼIV (CaM-kinase IV)につき血液系の細胞での局在と発現量の変化を調べた。Western blot解析及び免疫組織染色の結果、抹消血ではすでにCaM-kinase IVの存在が報告されているTリンパ球に認められたが、未分化な細胞(骨髄細胞や白血病細胞)においては赤芽球系細胞や骨髄球系細胞においても強い発現を確認した。現在はその発現の詳しいタイミングや分化における役割の解析や、ターゲットとなる可能性のある基質蛋白質等を解析している。ヒトTリンパ球からクローニングしたCaM-kinase IVのcDNAを用いて、株化した白血病細胞を用いてNorthern blot解析を行いmRNAの存在を確認した。分化を促進する薬物であるVitamine D3やretinoicacidを使用し分化をかけてからの変化を追っているが十分なデータはそろっていない。
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