研究課題/領域番号 |
06045043
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
小澤 秀樹 大分医科大学, 医学部, 教授 (90204198)
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研究分担者 |
MERCEDES Cas 国立アイバール病院, 消化器病研究臨床センター・(サントドミンゴ自治大学の関連教育, 疫学部長
CARLOS Amoro サントドミンゴ自治大学, 医学部, 教授
伊東 盛夫 大分医科大学, 医学部, 教授 (70038751)
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キーワード | ドミニカ共和国 / 虚血性心疾患 / 血清総コレステロール / HDLコレステロール / 高血圧 / 喫煙率 / 危険因子 |
研究概要 |
ドミニカ共和国はカリブ海に位置する熱帯の島国で経済的には豊かとは言い難い。この国の虚血性疾患は死因の2位を占めているためその危険因子の調査を行った。 同国の人口の3割を有する首都サントドミンゴ市において5地区、地方の農村、海浜地区5地区の10地区において20歳〜69歳の男女各地区約200人、計1,964人について、血液化学検査、血圧、喫煙状況を中心として検診を行った。受診者は地区住民で職種は種々であり、経済階層としては同国の全体の構成にほぼ合う様な低、中、高所得層を各50%、40%、10%とした。 総コレステロールの平均値は、日本の第4次循環器疾患基礎調査成績(1990年)と比べると、男では30、40、50歳代では約15mg/dl低く、60、70歳代ではほぼ同じ値で、女では各年齢階級とも5mg/dl低い程度で大きな差を認めなかった。HDLコレステロールの平均値は、男女、各年齢階級ともドミニカ人は日本人より10〜20mg/dl低かった。 年齢階級別に比体重を日本人と比較すると、120以上を示す肥満者の割合はすべての階層でドミニカ人が高く、女は日本の30、40歳代で2倍以上であった。WHO分類による血圧区分では、日本人は比体重が増加するにつれて高血圧、境界域高血圧の頻度が高く、40歳代では特にその関連が強かったが、ドミニカ人ではこの様な関連はなく、かえって比体重89以上で高血圧の割合が高かった。 喫煙率は、ドミニカ人は男24.3%、女17.1%で日本人(男55.6%、女9.5%)に比し男子で低かった。 調査対象の地区の選定、受診者の募集、検診の実施には、サントドミンゴ自治大学と協力の下に行った。血液化学検査は当大学で実施したが、精度管理は国際的に比較しうるものであった。日本、ドミニカ両国の虚血性心疾患の危険因子の比較を行って、両国の差異を明らかにした。
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